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「銀行に知られたら一括返済です」…年収800万円・30代会社員が凍りついた日。3,000万円のマンション購入後、〈融資契約内容〉に潜んでいた落とし穴【弁護士が解説】

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「300万円」か「信用」か…重視すべき、優先順位

Aさんはこの一件で、マンションの売却を検討するようになった。しかし、ここで新たな悩みに直面する。購入したマンションをすぐに売却すると、約300万円の損失が発生する見込みであることがわかったのだ。

「300万円の損失を受け入れて売るべきなのか」「このまま保有し続けるべきなのか」、Aさんは迷った。

たしかに300万円の損失は、Aさんにとって大きな負担だ。しかし、長い目で見れば、金融機関との信頼関係が揺らぐことのほうが、将来に与える影響は大きい。住宅ローンや事業融資など、資産形成において金融機関との取引は密接なものだ。目先の損失を避けるために問題を放置すれば、将来的に、より大きな不利益につながる可能性もある。

ローン契約に問題がある可能性が浮上した場合、売却を検討する前に、まずは次の資料を整理し、事実関係を確認する必要がある。

・融資申込時の書類

・売買契約書

・重要事項説明書

・不動産会社から受けた説明内容

そのうえで、「融資契約上どのような問題があるのか」「説明内容に問題はなかったのか」「売却以外に適切な対応方法はあるのか」を検討することになる。

最終的にAさんは、金融機関との信用を守ることを優先し、マンションの売却を決断した。約300万円の損失が発生したが、Aさんは次のように振り返る。

「高い勉強代になりました。でも、大きな問題になる前に気づけてよかったと思ってます」

不動産投資では、利回りや節税効果、毎月の収支といった数字に目を奪われがちだ。しかし本当に確認すべきなのは、「その数字はどのような前提で計算されているのか」「融資条件や契約内容を正しく理解できているか」といった“本質”である。

不動産投資の成否を左右するのは、「物件」だけではない。契約書の一文や融資条件、営業担当者の説明……そうした小さな見落としが、あとになって大きな問題につながることがある。

資産を増やすための投資だからこそ、購入前に「儲かるかどうか」だけではなく、「その取引は適切な条件で成立しているのか」を確認することが、将来の資産と信用を守る第一歩となるだろう。

松井 竜介

陽なた法律事務所 代表弁護士

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