「もう働かなくていいんだ」夫婦で年金18万円・65歳夫。気楽な老後のはずが、週刊誌を読んでも時計の針が進まない、独り飯も美味しくない日々…半年後、“時給1200円のバイト”を始めたシニアの現実

「もう働かなくていいんだ」夫婦で年金18万円・65歳夫。気楽な老後のはずが、週刊誌を読んでも時計の針が進まない、独り飯も美味しくない日々…半年後、“時給1200円のバイト”を始めたシニアの現実

払えないのは“恥ずかしい”…バイト収入のほとんどは「貯金」

「だけどね、わたしも妻もアルバイトの給料のうち、生活費の足しにするのは1万円だけ。お小遣いも1万円だけ。あとはそれぞれの郵便貯金に入れている」

貯金に励むのは後期高齢者になったときに惨めな思いをしたくないから。

「一番交流のある父方の従兄さんがもうすぐ77歳になるのですが、75歳過ぎるといろいろ普通のものじゃ間に合わなくなる。どうしても金がかかると言っていました。何かあったときに払えない、足りないというのは恥ずかしいでしょ。体面を保つためにはお金は不可欠だと思うんです」

そんなこと考えたくないが葬式があまりに簡素だとみっともないと思うし、坊さんも50万円ぐらいのお布施を包まないと寝言みたいなお経しかあげてくれないと聞いたことがある。葬儀には150万円ぐらい必要だというからそれなりの準備をしておきたい。

「確実に老いていくわけだから病院との付き合いが増えるでしょう。先生から念のために検査しておきましょうと言われたとき、お金が心配だからいいですと断るわけにいかないもの」

入院したら差額ベッド代や食事代、寝間着代も必要になる。こういうことも想定して蓄えを作っておきたい。とにかくお金は大事、あって困るものじゃない。「差し当たりもう大きな出費はないと思う。住宅ローンは完済したし、退職金の一部でリフォームもしたので、この先修繕で10万円単位の費用がかかることはないはずです」

生活のダウンサイジングも着々と進めている。

「自分でも少し反応が鈍くなったと感じるようになったので運転免許は返上しました」

これでガソリン代、オイル代、車検代、自動車税、保険料など総額で年間40万円近くカットできた。今は夫婦共に電動アシスト自転車に乗っている。スマホもそれほど使わないから後発モバイル会社のシニア得々プランに乗り換えた。

家呑み1回400円で十分、ささやかな楽しみは「うなぎ屋」

「サラリーマン時代はよく呑みに行っていたけど最近はすっかり弱くなりましてね。もっぱら家呑みです」

チューハイか第3のビールのロング缶が定番。肴はスーパーで買うハムカツや焼き鳥で十分。1回の呑み代は400円程度、これで文句はない。

「どこでどう調べたのか、証券会社からは投資セミナーのお誘い、リゾート物件販売会社からは別荘の案内、他にも一口馬主、ゴルフ会員権、高級外車、美術品などの売り込みがひっきりなしに来ますよ。一切、相手にしませんけどね」

退職金を増やそうとか、運用益で利益を得ようという考えは危ないと思うのだ。上手くいけばいいが、失敗したら誰かが責任を取ってくれるわけじゃないから。

「退職金を1円も使わないというのは不可能。だけど使う金額を抑えるのは工夫次第で可能。おじいちゃんになって金欠はつらいもの」

今のささやかな楽しみは、お互いの給料が出た週末。

「わたしの給料が出たら土曜日の夕飯は奮発して、妻を連れてうなぎ屋に行くんです。妻も給料が出るとホールのアップルパイとか生ドーナツなどをお土産に買ってきたりしてね。お互い『お疲れ様でーす』とやっている。これで幸せだよ、悪くないと思っている」

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