NZの不動産セールスマン、世界各国の移民ファミリーが求める「住宅へのこだわり」の対応に疲労困憊【NZ不動産の最新事情】

NZの不動産セールスマン、世界各国の移民ファミリーが求める「住宅へのこだわり」の対応に疲労困憊【NZ不動産の最新事情】

移住者が多く暮らすニュージーランドのオークランドでは、住宅購入希望者の好みもさまざまです。不動産会社も「理想の物件」を紹介しようと努めますが、細かい注文に対応しきれず、報われないこともしばしば…。「お得な物件購入」「こだわりの住まい」を手に入れるには、どうしたらいいのでしょうか。※本記事では、オークランド在住で不動産会社を経営する著者が、現地でしか掴めない不動産事情をレポートします。

7割近くが外国人…オークランドの中心地クイーンストリート

南半球のオセアニア、大国オーストラリアのシドニー、メルボルンの街も多民族ですが、ここニュージーランド・オークランドの中心地であるクイーンストリートを歩けば、7割近くがアジア系の人々です。

日本に戻ると、外食産業で多くの外国人従業員が流暢な日本語を操りながら接客しているのをよく目にします。お客のほうも外国人比率が高く、外国語による対応とミックスされ、国際色豊かな雰囲気です。法務省のデータによれば、令和7年の日本の在留外国人数は412万人超と、初めて400万人台となり、過去最多となっているとのこと。

英語ひとつとっても、アメリカ、ヨーロッパのみならず、アジア、中東、南米それぞれに訛りがあり、海外で出会った英語話者同士が意思の疎通に難儀するシーンもあるなど、面白い現象が起こっているようです。

住宅の間取り・外観にも、オーナーの出身国ごとに好みが…

さて、ニュージーランドのキッチンのレイアウトはオープン形式で、アイランドベンチがあり、ダイニングテーブルやリビングに面しているのが一般的です。主婦が1人背を向け料理するのではなく、家族で料理をしながらゲストとおしゃべりしたり、ゲストも一緒に料理しながら、キッチンベンチでチーズやワインを楽しむスタイルです。

ところが、インド系の中年以上の主婦は、キッチンがダイニングテーブルから見えない奥まった場所にあることを重視しますし、中東の方は電気ではなくガスで調理できることにこだわるなど、国によっていろいろあるのです。

家のサイズ、ロケーション、価格のすべてがパーフェクトでも、「台所の位置やデザインが気に入らない」という妻のひとことで、契約を逃す営業マンも少なくありません。「この家なら絶対気に入ってくれるはず!」と思って案内しても、あっさり「NO」を突きつけられ、ショックを受けることも…。

あらゆるパターンの「お断り」を経験してからは、事前の現場確認はもちろん、キッチンの条件等を確認したうえで、お勧めするかどうかを決めています。とはいえ、中高年の世代が非常にこだわる部分を、若い世代はあまり気にしないなど、どこの国でも時代とともに価値観は変化しつつあるようですが…。

これまでの売買でとくに印象に残っているのは、華やかなオレンジの外壁の物件です。その家のオーナーはオランダ出身の方でした。おそらくオランダでは、そういう色彩が一般的なのでしょう。ところが、次のオーナーとなったニュージーランド出身の方は、建物自体は気に入ったが外壁の色が気に入らないとして、さっさとクリーム色に塗り替えてしまいました。筆者は個人的に好きな色だったので、このまま引き継いでもらえたら…と思ったのですが、そうはいきませんでした。

その後、再びその家の前を通ると、家主が代わったのかわかりませんが、また異なる色になっていました。「色」も売買に影響をもたらします。

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