弁護士が警告する「うまい話」の裏側
とにかく、他人から投資や資産運用の話を持ち掛けられても、安易に乗らないこと。世の中うまい話はありません。悪知恵に長けた者、他人を食い物にしても良心が痛まない者たちが、弱き者から収奪しようと虎視眈々と狙っています。まずは「怪しい」と気づく自衛の意識を持つことが大切です。
では、翼さんのようにすでに高額な契約を結び、数ヵ月が経過している場合、法的に打てる手はないのでしょうか。まだ残されている可能性のある救済策を解説します。
1.書面不備によるクーリング・オフの継続
訪問販売や副業商法のクーリング・オフ期間(8〜20日間)は、法律で定められた項目が正しく記載された「法定書面」を受け取った日からカウントが始まります。悪質な業者の書面には不備があるケースがあり、その場合は期間がスタートしていません。つまり、契約から数ヵ月が経っていても解約・返金を主張できる可能性があります。
2.消費者契約法による「契約取消」
講師が口にした「必ず勝てる」「必勝法がある」という文句は、法律が禁じる「断定的判断の提供」や「不実告知」に該当します。こうした違法な勧誘による契約は、誤認に気づいたときから1年間(契約から5年以内)であれば、取り消すことができる場合があります。
最もやってはいけないのは、諦めてLINEの履歴を消したり、怒りに任せて書類を捨てたりすることです。時間が経つほど業者が逃げ隠れするリスクが高まります。相手とのトーク履歴、契約関連の書類、届いたUSBや明細などはすべて証拠として保存してください。そのうえで、速やかに弁護士や消費生活センター(消費者ホットライン「188」)へ相談を持ち掛けてみましょう。
市川 巧
弁護士
貝坂通り法律事務所
