なぜこれほどまでに差が開くのか?
このような差が出てしまったのは、「顧客層が異なるから」「運用期間が異なるから」など、様々な理由が考えられますが、私は金融機関の販売スタンスも影響していると思います。
独立系の直販投信会社は、長期的に保有し続けることを強く推奨しており、継続的に啓蒙活動をしている会社も多いです。その活動が結果に表れていると推察されます。ネット系の金融機関では、顧客自らが商品を選びます。そのほかの金融機関は、金融機関の担当者が顧客と対面しています。
データからは、「長期投資を推奨する独立系金融機関」の成績が良好で、「自分で商品を選択するネット系金融機関」の成績が中位で、「対面営業主体の金融機関」の成績が相対的に悪い傾向があることがわかります。
記事『金融機関の「有望顧客」とは誰か――資産運用の「窓口相談」における落とし穴』でもふれたように、「取引時に担当者からお願い営業をされたり、手数料の高い商品を勧められたり、希望していない商品を勧められたりすることがあり、担当者が自分の売上のために提案していると感じることにつながり、結果として満足度が低くなる傾向がある」という調査結果とつながっているように思えてきます。
さらに付け加えると、金融庁に報告していない金融機関もあります。リストに名前のない金融機関の状況は非常に気になります。
このようなデータを見てしまうと、私が顧客から相談を受けた際に「お近くの金融機関に相談してみるといいですよ」などと、とても言えなくなるのです。
※ 本記事は書籍の内容を抜粋・掲載したものであり、最新のデータ、法令・制度とは異なる場合があります。実務にあたっては必ず最新の情報をご確認ください。
小林 篤典
FP事務所 きずな 所長
