
2026年7月17日からPrime Videoにて世界独占配信されるPrime Originalドラマシリーズ『犯罪者』。
太田愛さんの同名小説を原作に、ある無差別殺傷事件を契機に巨大な陰謀が浮かび上がっていくクライムミステリーです。
高橋一生さん、斎藤工さんとともにトリプル主演を務めた水上恒司さんが、同作へ込めた思いを語ってくれました。
共演するおふたりに真っ向からぶつかっていく役

白昼の駅前広場で通り魔事件が発生したところから展開するドラマ『犯罪者』。水上恒司さんが演じたのは、事件の唯一の生存者である繁藤修司です。警察に対して強い反発心を隠さず、不器用ながらもまっすぐに生きる修司。彼が高橋一生さん演じる刑事・相馬、そして斎藤工さん演じるフリーライター・鑓水と出会い、信頼関係を築いていく過程も見どころです。
「相馬、そして鑓水にとって、修司がどうあるべきか。そして修司自身がどう生きていきたいのか。そこをベースにしながら、松永大司監督からいただいたヒントをもとに役を作っていきました。僕はおふたりに真っ向からぶつかっていかないといけない役なので、『ちょっとやるじゃないか』と思ってもらえるように取り組んでいました。今回は3人の芝居が多かったのですが、3人だと『2対1』になったり、『1対1対1』になったり、関係性が絶えず変化していく。それを芝居のなかに込めていくのがおもしろかったです。それは、役者の芝居を点で捉えるのではなく、点と点で結ぶ線を捉えることだと思うのですが、役者がそれを意識することで、より明確に人の変容を表現できると感じました」
修司をつかむ手がかりとなったのは、松永監督からの「大人っぽい子ども」というキーワードでした。
「話が進むにつれて、修司はどこか子どもっぽくなっていくんですよね。ずっと周囲になめられないように、大人ぶって生きてきた修司が、そうなっていくところに泣けるというか。ようやく彼の世界において、何かが得られる予感がしてくる。そのグラデーションが、修司の物語においては大事だと考えました」
高橋一生さんからは「言葉にすること」、斎藤工さんからは「黙ること」を学びました

そんな現場をともにした高橋一生さん、斎藤工さんとの共演も、本作への出演を後押しした理由だったと話す水上さん。実際に、ふたりから得た学びは大きかったそう。
「一生さんからは『言葉にすること』の大切さ、一方で工さんからは『黙ること』の大切さを学びました。正反対のようですが、どちらが正解ということではないんです。一生さんは、撮影現場で自分のために言葉にしていたのだと思いますが、それが周囲にとってはシーンの解釈や整理につながっていったんですよね。工さんはその横で、多くを語らずに芝居をする。きっとご自身のなかでは意見もあっただろうし、知識が備わるほど人は何かを言いたくなるものだと思うんです。そこで『黙る』ことができる人は強いと思います」
本作で出会った妥協のないものづくりの姿勢や現場の熱量は、水上さんのなかに大きな手応えとして残ったようです。その経験を経て、今後どのような作品と向き合っていくのか、その基準にも変化が生まれているといいます。
「この作品に出たことで、今後の作品選びがさらに難しくなりました。自分が諦めかけそうなものを貫き通している座組が世の中にはあると知ってしまったので。そうではない座組に参加するとき、能動的に仕掛けていく自信が僕にはまだないです……。だから難しくなったなとは思いつつ、やるべきことはわかっている気がするんです。いままではおもしろいと思った作品、自分がやったことのない作品をやっていくべきと思っていたけど、ちょっと変わってくるかもしれません」

