介護で後悔しないために
では、この介護における後悔をなくすためには、なにが必要なのでしょうか。
問題の本質は、施設に預けるという選択そのものにあるのではなく、「お金を払ってプロに任せたから、これで役割は終わった」と、関係性を完結させてしまう点にあるのかもしれません。介護される側の親が本心で求めているのは、管理された空間の快適さ以上に、安心できる身内との「心のつながり」です。
どれほど高額で手厚い施設であっても、家族が定期的に顔を出し、他愛もない会話を交わしたり、思い出の品に触れたりするアプローチがあって初めて、そこは単なる「預かり場所」から「第二の我が家」へと変わっていきます。
排泄や入浴、医療対応といった物理的なケアはプロの技術に委ね、その代わりに、家族にしかできない「心のケア」にエネルギーを注ぐこと。この役割分担のバランスを丁寧に見極めることこそが、親にとっても子どもにとっても、悔いのないシニアライフの介護を実現するための鍵といえそうです。
