
◆ホテルの料理人からフットサルの世界へ
松本さんがサッカーを始めたきっかけは、通っていた幼稚園のサッカークラブだった。もともとは体操教室に通っていたそうだが、次第に「サッカーをやりたい」と思うようになり、気づけばのめり込んでいたという。「中学・高校時代は学校の部活ではなく、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-18というクラブチームに所属し、サッカー一筋の生活を送っていました。当時はプロになることを夢見て、『なでしこジャパンに入りたい』というのを目標に、日々サッカーに打ち込んでいましたね」(松本さん、以下同)
ただ、高校3年生で全国大会への出場を果たしたのを最後に、一度サッカーに区切りをつけた。調理師免許を取得するため専門学校へ進学。卒業後はホテルに就職し、料理人としてのキャリアを歩んでいたある日、転機が訪れる。
「フットサルチームの監督をしている知人から『ちょっと遊びに来ない?』と声をかけてもらったことがきっかけで、少しずつフットサルをやるようになりました。
ホテルで働いていたこともあり、頻繁には行けなかったのですが、少しずつボールを蹴る時間が増えるうちに、『やっぱり楽しいな』という気持ちが強くなっていきました。そこから本格的にフットサルの道へと進むことになったんです」
◆急遽回ってきた大舞台で、チームを優勝に導く「劇的ゴール」

しかし移籍後の2年間はなかなか結果が出ず、苦悩の日々が続いたというが、「もっとフットサルを深く学びたい」という強い思いから、2021年に現在の「バルドラール浦安ラス・ボニータス」の門を叩いた。
「バルドラール浦安に加入して感じたのは、周囲のレベルの高さでした。選手たちの技術力はもちろん、監督のフットサルに対する知識も深くて、常に高い基準が求められる環境だったんです。
そのため、1年目はなかなか試合に出ることができず、悔しい思いもたくさんしましたが、自分を信じて努力を続けることだけは忘れずに、日々練習に打ち込んでいましたね」
そんななかで大きな転機となったのが、1年目のシーズン終盤に行われたリーグ優勝を懸けたプレーオフだった。
「当時、自分と同じポジションの選手が体調不良となり、急遽私に出番が回ってきたんです。大舞台ということもあって、すごく緊張していたんですが、『このチャンスを絶対に掴みたい』という強い気持ちで試合に臨みました。
その結果、ゴールを決めることができ、チームの優勝にも貢献できたんです。まさにそれまで積み重ねてきた努力が、最高の形で報われた瞬間でした」

