リスク許容度は「年齢」だけで決まらない
――「年齢が高くなったら、リスクのある商品は減らすべき」とよく言われますが、リスクとの向き合い方についてはどうお考えですか。
小林:
一般的には「100マイナス年齢」の割合をリスク資産にする、といった公式が語られがちです。例えば65歳なら35%だけを投資に回す、といった具合です。
しかし、リスク許容度はそんな単純な計算(年齢だけ)では決まりません。保有している資産の総額はもちろんですが、何より大切なのは「その人の感情が、どこまで値動きについていけるか」という感情的な問題です。
数千万円の資産があるのに、10万円値下がりしただけで夜も眠れなくなるほど不安になるという、リスク許容度が低い人もいます。逆に、年齢を重ねていても「いずれ戻るから大丈夫」と、どっしり構えられる人もいます。一律に年齢だけで区切るのではなく、自分の「感情の耐性」を慎重に見極める必要があります。
暴落時の正解は「何もしないこと」
――もし、自分が投資している商品が「暴落」してしまったら、私たちはどう行動すれば良いでしょうか。
小林:
答えは簡単です。「何もしない。おとなしくしておくこと」。これが唯一の正解です。
暴落が起きると、不安になって手放したくなる人や、逆にチャンスだと思って慌てて買い増そうとする人が現れます。しかし、明日さらに下がるのか、ここから反発するのか、未来のことは誰にもわかりません。わからない以上、ジタバタ動かないのが一番です。
どっしり構えて動かないでいられるかどうかは、実は「投資のスタートライン」で決まっています。自分が納得し、信頼して、一時的な大きな下落の可能性も理解して選んだ商品であれば、2割、3割下がっても「世界経済が成長すれば、いずれ戻る」と信じて待てるのではないでしょうか。逆に、窓口で勧められるがまま、中身もよくわからずに買った商品は、恐怖に負けて途中で逃げ出して(売却して)しまい、大損を確定させることになります。暴落への対策は、暴落が起きる前の「商品選び」の段階ですでに終わっているのです。
