気をつけたい商品(毎月分配型投資信託)
「毎月分配型投資信託」という種類の投資信託をご存じでしょうか。これは、毎月分配金が振り込まれる商品です。お小遣いがもらえるようで、お得に見えなくもありません。特に年金生活の高齢者は、うれしく感じるようです。
実際に、投資信託協会のアンケートの「毎月分配型投資信託に魅力を感じますか」という質問に対して、4分の1の人が「魅力を感じる」と答えています。また、投資信託保有者の3割が毎月分配型投資信託を保有しています。「保有している」と答えた世代は幅広いですが、その中でも特に年金生活の世代に多く買われていることがわかっています。そして、魅力を感じる人の59%が「分配⾦を受け取ることで安心できるから」と答え、55%が「毎月利益を確定したいから」と答えています。
実は、この毎月分配型投資信託がくせ者です。そもそも「分配金」とは何でしょうか。株の配当のようなもので、利益を受け取っているのでしょうか。
投資信託の分配金には「普通分配金」と「特別分配金」があります。「普通分配金」は利益の還元です。株の配当に近いです。一方で「特別分配金」は違います。単なる元本の取り崩しです。「特別分配金」は、自分の支払ったお金の一部が戻ってきているだけなのです。毎月受け取れる分配金額を見るだけでは、それが特別分配金なのか、普通分配金なのかはわかりません。
これを購入者がどれほど理解しているのでしょうか。投資信託協会のアンケートでは、6割強の人が、「分配⾦として元本の一部が払い戻されることがある」ことを理解していません。
仕組みを理解せずに購入して、自分のお金が取り崩されて戻ってきているだけなのに喜んでいる姿が見えてきます。
資産を増やす目的で投資しているのに、あなたの資産を取り崩して受け取っていては、増やすことができません。資産運用に適した商品とは言えないでしょう。
加えて、購入者が仕組みをわかっていないことは大きな問題です。金融機関には、しっかり説明してもらいたいと思います。
※ 本記事は書籍の内容を抜粋・掲載したものであり、最新のデータ、法令・制度とは異なる場合があります。実務にあたっては必ず最新の情報をご確認ください。
小林 篤典
FP事務所 きずな 所長
