今回、その当事者に話を聞くことができました。淡々と当時の辛い日々を話してくれましたが、真っ向から立ち向かったその姿勢は立派なものでした。

◆入社1年を迎えて感じ始めた周囲の違和感

「最初のうちは週2、3回くらいだったんです。でも気づいたらほぼ毎日になっていて」
入社以来、昼食といえば同期5人でそろってランチというのがお決まりのパターンだったそうです。ところがある時期から、富永さんが「ご飯行こう」と声をかけても、返ってくる答えはいつも「今日はランチミーティングがあるから」のひと言。
最初は仕方なしと受け入れていた富永さんですが、それが週を追うごとにほぼ毎日になり、気づけば1人で昼食をとる日々が続くようになったとのことです。
もともと社交的な性格だという富永さん。ひとりで黙々と弁当を食べながら、「自分だけ何か悪いことしたかな」と自問自答を繰り返していたようです。
◆上司Mによる”選別ランチ”の実態
「ランチミーティングって、いったい何をやってるんだろうって気になって」と語る富永さんは、ある日思い切って同僚の1人に尋ねてみたそうです。すると、驚くべき実態が明らかになりました。直属の上司・Mが、富永さんを除いた同期4人を毎日外へ連れ出しているというのです。しかも行き先は、ちょっとお高めのビストロやランチビュッフェ。実質的に上司のおごりで食事をしているだけで、ミーティングらしい議題などほとんどないとのことでした。
その同僚は「富永のことを悪く言ってたわけじゃないけど……」と言葉を濁したそうですが、その後から少しずつ富永さんとの距離を置くようになっていったといいます。
「さすがに『これって意図的だな』と確信しました。なんで私だけなんだろうと気になるばかりです。さすがに心が折れそうになりましたね」
問題はランチだけにとどまりませんでした。上司Mは、業務上の報告や相談をしようとしても「今忙しいから」「後で」と適当にあしらうばかり。営業職として動く富永さんにとって、上司への相談は業務の根幹でもあり、このままでは会社にも迷惑がかかると感じ始めたのは、そう遠くない時期のことだったそうです。

