◆意を決して”ハラスメント窓口”に相談を決意
悶々とした日々が過ぎていく中、富永さんが動いたのは、総務部が設けていた『ハラスメント相談窓口』への問い合わせでした。最初は名前を出すことへの抵抗もあったそうですが、意を決して実名で相談したそうです。「翌日、向こうの担当者から『重要案件として扱いたい』連絡があり、それで改めて面談することになりました」
面談では、上司Mによるランチへの招集から始まり、業務上の無視や同僚との関係が壊れていった経緯まで、富永さんは包み隠さず打ち明けたとのことです。
「最初は赤裸々に話すことに抵抗があったのですが、担当の方が親身になって聞いてくれたので、すべてのいきさつを丁寧に話すことができました。なんか全部話したからか、とてもスッキリした気分になりました」
胸の内を全部吐き出したせいか、富永さんの心中はとても軽やかになったといいます。
◆掲示板に貼り出された”異動の知らせ”
面談からおよそ1か月が過ぎたある日、社内の掲示板にひっそりとある名前が載っていました。上司M——異動でした。「正直、ほっとしたというか……やっと、という感じでした」
Mが姿を消すと、同僚4人との昼食も自然と入社当初の雰囲気に戻ったといいます。和気あいあいとしたランチタイムが戻ってきたとき、富永さんはようやく肩の荷が下りたような気持ちになれたそうです。

なんとも大人気ない理由から端を発した今回の異動。しかし、このようなことは過去にもあったと総務課の担当者は明かしてくれたようです。勇気を出して訴えたことが功を奏した今回の事案。抱え込まず勇気を出して打ち明けることの大切さを改めて痛感させられました。
<TEXT/八木正規>
【八木正規】
愛犬と暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営

