市場拡大の裏で中小業者は淘汰される
買取業では、資金力が仕入れ力に直結する。大手は高い査定額を提示し、大量の広告を打ち、好立地への出店を進められる。集めた商品が増えれば販売力も高まり、さらに出店できる。一方、資金余力に乏しい中小は人気商品を確保しにくく、品ぞろえと収益力の双方で不利になる。
実際、東京商工リサーチによると、リユース業界では売上高5億円未満の中小・零細企業が全体の68.9%を占める一方、売上高100億円以上の企業は15社となり、4期前の7社から2倍以上に増えた。また、2025年のリユース業の休廃業・解散は過去10年間で最多となる122件で、前年比29.7%増。倒産も25件と4.1%増加した。
市場拡大の陰で中小の淘汰が進み、独立した小規模店よりも、本部の資金力やサポートを背景に店舗を増やす大手FCが優勢になっている。似た看板の買取チェーンが街に「異常増殖」する背景には、こうした業界の構造がある。
悪徳業者も横行...利用時の「防衛策」は
買取競争の過熱により、悪質業者の横行という弊害も出ている。その代表例が、不用品の買取を口実に自宅へ入り込み、貴金属などを強引に安く買い取る「押し買い」だ。
国民生活センターによると、2024年度は全国で7889件の相談があった。飛び込みの訪問購入は法律で規制されており、契約書面を受け取った日から8日以内なら原則としてクーリング・オフも可能だが、被害は絶えない。
街に買取店があふれる光景は、リユース文化の定着を示す一方、新品を気軽に買いにくくなり、身の回りの品を現金に換える需要が高まる「物価高時代」の縮図ともいえる。
利用する側としては、できるだけ高く買い取ってほしいのが本音だが、消費者庁の調査では、店頭買取の利用経験者の74.1%が複数店舗の査定額を比較していなかった。1店だけで即決せずに複数社に査定を依頼したり、金やブランド品のおおよその相場を先に調べたりといった「防衛策」により、急増する買取サービスを賢く使いたい。