老後のお金「不安を感じる人」「不安を感じない人」は何が違うのか… FPが教える「資産の見通し」の考え方

老後のお金「不安を感じる人」「不安を感じない人」は何が違うのか… FPが教える「資産の見通し」の考え方

誰しも老後生活への不安はあるでしょう。しかし、その原因となるものは「いつまで生きるのか」「どれほどのお金が必要なのか」がよくわからないという点につきます。何を論拠に計算し、老後生活のめどを立てるべきか考えてみましょう。本稿は、小林篤典氏の著書『父が溶かした退職金 【下】』(ゴールドオンライン新書)から一部を抜粋・再編集したものです。

平均寿命で考えると間違える

「寿命」と聞くと、「平均寿命」という言葉が頭に浮かぶと思います。

2024年の平均寿命は、「男性:81.09歳」「女性:87.13歳」です。「なるほど、男性は81歳まで生きるのか」と思った人は注意が必要です。平均寿命とは、「0歳の乳幼児が生存すると考えられる平均年数」です。つまり、あなたはもう0歳ではないので、平均寿命を見ても意味がないのです。

では、何を見ればよいのでしょうか。[図表]のように「寿命」と名のつくデータが複数あります。

出典:『父が溶かした退職金 【下】「お金の真実」を学び、心穏やかに生きる知恵』(ゴールドオンライン新書)より抜粋 [図表]各種寿命データ 出典:『父が溶かした退職金 【下】「お金の真実」を学び、心穏やかに生きる知恵』(ゴールドオンライン新書)より抜粋

それぞれの寿命値には、次のような意味があります。

●平均寿命:0歳の乳幼児が生存すると考えられる期待値

●65歳平均寿命:現在65歳の人が何歳まで生きるかの期待値

●寿命中位数:出生者のうち半数が生存し半数が死亡すると想定される年数

●死亡年齢最頻値:最も死亡数が多い年齢

●健康寿命:健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる年数

「何歳を寿命として想定するといいのか」という疑問については「あなたの年齢の平均寿命(あなたの年齢+あなたの年齢の平均余命)」「寿命中位数」「死亡年齢最頻値」を参考にするとよいでしょう。それぞれ差はありますが、「男性:85歳程度」「女性:90歳程度」これが現実的な目安です。

2,000万円問題は「夫65歳以上、妻60歳以上で構成する夫婦1組の無職世帯」を対象にしていたので、妻90歳となるまでの30年間で計算したのは妥当と言えます。

さらに注意が必要なのは、「平均値」「中位数」「最頻値」という言葉です。あくまでも中央付近の人がこの年齢ということですから、半数の人はこの年齢よりも長く生きると考えたほうが良さそうです。「人生100年時代」は誇張ではありません。

ほとんどの人が知らない「自分の資産寿命」

「人生100年時代」を話題にすると、「私はそんなに長生きしないです」「70歳で死ぬから大丈夫」と答える人が驚くほど多いです。私は「そんなに簡単に死ねないですよ」といつも笑って答えます。

自分が長生きすることをイメージしていない人の多さには驚きます。少なくとも、男性85歳、女性90歳。この年齢を想定して人生を考える必要があります。実際にはプラス5年程度の余裕を持って計画したいところです。

そして、もう1つ考えておきたいことがあります。それは「資産寿命」です。「いまの生活を普通に続けたら、あなたの家の資産は何歳で尽きますか?」この質問の答えが資産寿命です。残念ながら、この質問に答えられる人は、ほとんどいません。

何歳まで資産が持つのがわからない状態で老後生活を送っていたら、不安になるのは当然です。資産寿命を知らないことが、不安の原因なのです。

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