何度も席を立つ、お出かけが不安など、気になる尿のトラブル。実はおやつやアルコールなど大好きな嗜好品が原因かもしれません。膀胱の働きを健やかに保ち、頻尿を防ぐための「食のルール」を、YouTubeでも大人気の医師がわかりやすく解説します。
教えてくれるのは、伊勢呂哲也(いせろ・てつや)さん
大宮エヴァグリーンクリニック/東京泌尿器科クリニック上野/池袋消化器内科・泌尿器科クリニック/新橋消化器内科・泌尿器科クリニック 理事長。日本泌尿器科学会認定専門医。年間3万人の患者を診察するかたわら、泌尿器科・消化器科の専門YouTubeチャンネルを運営。著書に『食べてはいけないもの×いいもの:からだの不調は食べもので解決できます』伊勢呂哲也(著)、関口絢子(栄養監修)、Gakken刊。
頻尿が悪化…大好きなあの嗜好品が原因かも?
前回は、だるさやむくみを防ぎ「腎臓」をいたわる食材選びのコツをご紹介しました。今回のテーマは、お出かけ時の大きな悩みになりがちな「頻尿」です。
1日に8回以上トイレに行くのは頻尿の状態です。頻尿の改善方法のひとつとして、水分の摂取を控えるということがあります。水分の多い食べものは、水分が直接尿のもととなるほか、体を冷やすことがあります。体を冷やす、特に膀胱まわりを冷やすのは頻尿の原因となります。
気をつけるべき身近な食べもの7つを解説していきます。
【スイカ】水分の多さが利尿作用を高める
余分な塩分を排出するカリウムと血流を改善し、余分な水分を排出するシトルリンが豊富なスイカは利尿作用が抜群です。ただし、夜間頻尿で困っている場合は、夜にスイカを食べるのは控えましょう。
【ホウレンソウ】シュウ酸が尿路結石のリスクを高める
尿トラブルのひとつに結石があります。尿管結石は生活習慣病と密接に関係しているので、糖尿病や高血圧、脂質異常症を招く食生活は控えましょう。
主な結石にシュウ酸カルシウム結石があり、シュウ酸が体内のカルシウムと結びつくため結石の成分になっています。
シュウ酸の多い食べものとしてホウレンソウ、タケノコやチョコレート、緑茶などが挙げられます。
これらを食べるときは、水もたくさん飲みましょう。ホウレンソウを食べるときは、下ゆでして、ゆで汁を捨ててよく洗い流すと、シュウ酸を30~80%減らすことができます。
【ラーメン】塩分で水を飲みたくなり頻尿を招く
塩辛いものを食べるとのどが渇きます。これは、血中に塩分が多くなったのを薄めようとするためで、私たちの体に備わった自然なシステムです。夜間頻尿の原因として塩分過多は明確なリスクとされており、年齢や体調にかかわらず夜間頻尿を招くという報告があります。
ラーメンやうどん、そばなどの汁ものには、味覚で感じる以上の塩分が含まれています。食べる頻度を少なくして、スープを飲み干さないようにしましょう。
【スナック菓子】塩分が多く、のどが渇く原因に
食べて直感的においしいと思うものは、味つけに含まれる塩分や糖分、油脂に要注意です。スナック菓子にも多くの塩分が含まれています。塩分の摂取により体が水分を欲するほか、血糖値が上がることで、溜まった塩分や糖分を排出するために体が尿をつくろうとがんばってしまいます。
【辛い食べもの】膀胱に刺激と負荷を与えるリスクあり
辛い食べものは、私たちの体に刺激を与えます。膀胱は尿が溜まると膨らみますが、ここに刺激が加わることで、トイレに行きたい感覚を覚えます。
膀胱はある程度まで尿を溜めることができる器官で、一定以上になると尿意を感じるわけですが、過剰な刺激が与えられることで尿が溜まっていないのにトイレに行きたくなり、それが頻尿につながります。
【チョコレート】シュウ酸もカフェインも尿にリスク
チョコレートはシュウ酸が多いだけでなく、頻尿によくない成分のカフェインを含んでいます。カフェインには明確な利尿効果が認められており、膀胱への刺激も報告されています。頻尿の方はできるだけ避けたい成分です。
【アルコール】利尿作用と睡眠の質の低下のダブルパンチ
お酒を飲むということは水分をとるということです。しかもアルコールには利尿作用があります。アルコール飲料は多尿に直結するということです。
さらに寝つきを悪くする作用で、睡眠の質が低下し、わずかな尿意でも目が覚めて、夜間にトイレに行きたいような気持ちになります。
また、お酒を飲むときには水も一緒に飲むといいといわれます。アルコールを飲むのであれば、できるだけ早く、体への負荷が少ない形で分解したほうがいい。そのためには、一緒に水を飲んだほうがよいのです。減らすべきは水ではなくアルコールの量です。

