手放したもの2:肩書きがない自分への不安
会社を辞めると決めたとき、次はピラティスの仕事をすると胸を張って言えませんでした。収入は減るし、「もったいない」と思われるのも怖かった。会社員という肩書きを失うことで、自分の価値まで下がってしまうように感じていたからです。自分は何者でもなくなるという不安もありました。
実は、一番つらかったのは退職した後ではなく、上司や同僚、後輩に退職を伝えるときでした。「本当にこれでいいのだろうか」という迷いが何度も頭をよぎりました。
ところが、退職してみると気持ちは思っていた以上に晴れやかでした。そのときは理由がわかりませんでしたが、後になってInstagramの投稿を作る中で自分の気持ちを整理し、「肩書きを手放すこと」が怖かったのだと気づきました。
何者かにならなければ価値がないわけではない。肩書きに預けていた価値を、自分自身に戻してあげればいい。今はそんなふうに考えられるようになりました。
手放したもの3:「休みたい」を押し殺す毎日

会社員時代、仕事そのものが嫌だったわけではありません。それでも毎朝、「今日は休みたいな」と思う気持ちを押し殺しながら通勤していました。
気づけば休日も仕事の疲れを取るだけで終わり、「次の休みまでがんばろう」と毎週繰り返していた気がします。体はいつもくたくたで、休日は何もする気が起きないほど疲れていました。「楽しむ」という感覚すら思い出せないほど、仕事中心の毎日だったのだと思います。
退職して時間に余裕ができた今は、「もっと良いレッスンができるようになりたい」「もっと学びたい」という気持ちで、自ら進んで勉強を続けています。同じ仕事でも、向き合い方は大きく変わりました。
もちろん、失ったものもあります。安定した収入やボーナスは、今でもふと思い出すことがあります。それでも、自分で時間を選べる自由や、自分のペースで働ける毎日は、それ以上に私に合っていました。
ゆっくり本や漫画を読めるようになったことも、小さいけれど大きな変化です。会社員時代は「疲れてるね」と言われることが多かった私ですが、今では「元気そう」「若返ったね」と声を掛けられるようになりました。
すべての人に同じ選択が合うとは思いません。でも私は、自分で選んだ働き方だからこそ、納得して毎日を過ごせています。

