上手く使いこなせば強力な武器になる一方で、使い方を誤れば取り返しのつかない事態にまで発展することもあります。
今回は、多忙のあまりAIへの依存度が高まり、致命的な失敗を招いてしまった、あるコンサルタントのケースをご紹介します。

◆入社5年目で発動された部署異動
「いつか自分でショップを経営したい。そのためのノウハウを吸収したくてこの仕事を選んだんです」そう語るのは、都内のコンサルティング会社に勤める山本さん(仮名・28歳)。入社して5年が経つといいます。
入社以来、カフェやフードショップのオーナーがクライアントで、商材の選定からメニュー開発、店舗設計まで幅広く携わり、社内でも一定の評価を得ていたようです。
ところがある時期を境に、社内での人員調整が入り、上司から医療施設のコンサル業務を任されるようになりました。機材の選定からスタッフの採用計画、行政への申請書類まで業務の範囲は多岐にわたり、飲食業よりはるかに厳格な資料の精度が求められます。
医療業界特有の専門用語や法規制にも一から向き合わなければならず、これまでの仕事とはまるで別物だったといいます。
「毎日終電で帰って、翌朝は始発で出社する日々が続きました。それでも評価を上げたくて、自分を奮い立たせていたんですが……」
充実感よりも消耗感が上回る日々でも、「ここで踏ん張れば次に繋がる」と言い聞かせ、歯を食いしばって業務をこなしていたとのことです。
◆心身ともに追い詰められた状態で舞い込んだ”太客”案件
そんな中、直属の上司から「うちの太客の医療法人を担当してほしい」と告げられます。これまでに経験したことのない規模のクライアントで、プレッシャーは相当なものだったようです。「正直、あのとき初めて会社を辞めたいと思いました」と山本さんは当時を振り返ります。
1週間後、いよいよ初回の打ち合わせに臨むことになった山本さん。広めの会議室にクライアントのメンバーがずらりと並ぶ中、山本さんはプロジェクターに映し出された資料を手際よく説明し始めます。緊張しながらも序盤はどうにか順調に進み、このまま乗り切れるかもしれない -そんな淡い期待の中、ハプニングが起こったといいます。

