◆稚拙な高市首相の国会運営
高市内閣の支持率が下がっている。これを「国民の理解を得られない皇室典範改正を強行したから支持率が下がった」と評する向きもあるが、噓だろう。その手の世論調査、露骨な誘導尋問だらけなのだから。一時の熱狂で高市批判すら許されない状況から、冷め始めている。実際、高市首相の国会運営、稚拙なのだ。冷静に考えてみよ。日本保守党と共産党を結束させる手腕、もはや才能ではないか。
振り返ってみれば、失態続きだ。突如として解散。1月に解散すれば、予算が年度内成立しないのは、子供でも分かる。選挙に勝ったは良いが、その後に3月までに予算をあげろと言い出した。高市応援団は「野党はくだらない質問しかしないから、質問時間を取り上げろ」とまで言ってのけた。そういう態度は、首相の態度として伝わる。結局、中途半端に暫定予算を組む羽目になった。
その後も、党首討論を開かない、予算委員会での集中審議にも出てこない、スキャンダル追及に対しては、陳述書で勘弁してくれと言い出す。これは明確に高市首相個人の議会軽視だ。野党の質問に紙きれを出して済むなら、議会などいらないではないか。
◆ふわっとした保守層を離反させかねない
それでいてトドメが、比例だけの定数削減。参政党やチームみらいは、比例代表でしか議席を得ていない。ここに至って、右の保守党・参政党から左のれいわ・共産党まで十一の野党全部が結束して審議拒否した。当たり前だ。話し合いに出たら、最後は多数決で定数削減をされるのだから。選挙制度は議員や政党の政治生命にかかわるので、慎重な議論が求められる。だから平成の政治改革は難渋した。それを一回の国会で可決しようとは強引すぎる。それでいて「皇室典範の審議もあるから」では高市内閣が皇室を人質にしているようなものではないか。
何より、高市首相は減税を掲げて勝った。しかし、議論が遅々としている。
高市首相の失策が続いている。皇室に興味が無いことが伝わってしまったので、コアな保守層の懐疑を招いている。減税を掲げて選挙に勝ったのに、中途半端な減税にしかならなさそうだ。これで、ふわっとした保守層、つまり日本人の多数派を離反させかねない。
もっとも、野党に眼を移せば、今すぐ代われる政党は無い。当面、高市首相で頑張るしかないのだから、減税くらいはちゃんとやってもらいたいものだ。
政権担当能力を発揮せよ。
―[言論ストロングスタイル]―
【倉山 満】
皇室史家。憲政史研究家。1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『噓だらけの日本近世史』が2月28日より発売

