「新NISA、やめるかもしれません」…投資で〈資産2,000万円〉を突破。年収720万円・52歳会社員が「iDeCoを優先する」と語るワケ【FPの解説】

「新NISA、やめるかもしれません」…投資で〈資産2,000万円〉を突破。年収720万円・52歳会社員が「iDeCoを優先する」と語るワケ【FPの解説】

NISAとiDeCo 10年間でのシミュレーション比較

NISAとiDeCoでは、具体的にどれぐらいの差が出るのでしょうか。大森さんが仮に月2万円ずつ、同じ商品で10年間投資をした場合のシミュレーションを比較してみましょう。

■シミュレーション条件:同じ全世界株の投資信託を月2万円ずつ10年間積み立て、利回りは公的年金の運用実績(GPIF・2001〜2025年度)並みの年4.67%。60歳定年・再雇用で年収が下がる前提。

①NISAの場合:元本240万円が約306万円に育ちます。運用益約66万円は非課税です。

②iDeCoの場合:運用部分は、口座管理手数料を引いた分やや少ない約299万円。ただし年24万円の掛金がまるごと所得控除になり、大森さんなら10年間の節税額は約67万円(60歳以降は年収が下がり節税率も低下)。戻った税金をその都度再投資すれば10年後には約83万円分となり、合計約382万円になります。

同じ商品、同じ利回りでも、手元に残る額には約75万円の差。「掛金の所得控除」というiDeCoだけの武器の効果です。

もっとも、実際に投資をする場合、本来は一人一人の実態に合わせてしっかりシミュレーションをしなくてはなりません。iDeCoは原則60歳まで引き出せないうえ、受け取れる年齢になってからも「いつ・どう受け取るか」で手取りは変わるからです。

しかも、所得控除で軽くなるとはいえ、受け取るときには課税が原則です。これは出口の税金を脇に置き、「入り口」の節税効果を見るための、大森さんの年収を元にした試算だという点には注意が必要です。

2027年、iDeCoの枠は月6.2万円へ拡大

大森さんは現在、iDeCoで月2万3,000円を積み立てながら、2024年1月に旧NISAから切り替わった「新NISA」でも月5万円積み立てています。しかし、今後について「いったん新NISAをやめるかもしれません」という発言も。

その理由の1つが、2027年1月からのiDeCoの制度改正です(注2)。

2027年1月からはiDeCoの掛金の上限が上がり、会社員の上限は現在の月2万3,000円から月6万2,000円に拡大(企業年金がある場合、それと合算して月6万2,000円まで)。つまり、年間では74万4,000円までが所得控除の対象となり、節税のメリットも大きくなります。

「iDeCoだけで年74万4,000円投資できるようになるので、新NISAはそれ以上の資金があるときに使う形がいいかなと。余剰資金がたくさんあればいいのですが、ちょうど息子の大学進学にもお金がかかる時期。残念ながら、しばらくはiDeCoだけで手一杯かもしれません」

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