◆「争族」を防ぐために生前にできる3つの対策
相続トラブルを数多く見てきて感じたのは、多くの争族は「生前の準備で防げたかもしれない」ということです。一つ目は、遺言書を作成することです。誰に何を残したいのかを明確にしておくだけで、相続人同士の誤解や対立を防ぎやすくなります。
二つ目は、家族で相続について話し合うことです。お金の話は避けがちですが、親の考えを事前に伝えておくだけでも、相続後のトラブルは大きく減ります。
三つ目は、専門家へ早めに相談することです。相続は法律や税金だけでなく、家族構成や財産の状況によって最適な方法が異なります。
相続対策とは、税金を減らすためだけのものではありません。
何より大切なのは、残された家族がこれまでと変わらない関係でいられるよう準備をしておくことです。
◆5000万円で家族を失わないために今できること

「うちは大丈夫」と思っていた家族が、5,000万円の遺産をきっかけに兄弟が絶縁し、親族がバラバラになってしまうケースを何度も目にしてきました。
相続で争う原因は、お金の額ではありません。長年積み重なってきた思いや、伝えられなかった気持ちです。
だからこそ、本当に大切なのは、財産をどう残すかではなく、家族が争わないように準備をしておくことです。
遺言書を作ること、家族で話し合うこと、専門家に相談すること。その一つひとつが、大切な家族を守ることにつながります。
残すべきものは、お金だけではありません。
「家族がこれからも家族でいられること」
それこそが、何より価値のある相続なのではないでしょうか。
<文/渡辺智>
【渡辺智】
某メガバンクに11年勤務。リテール営業やプライベートバンカー業務を経験。その後、外資系保険会社で営業。現在は金融ライターとして独立。FP1級保有。難しい「お金の話」をわかりやすく説明することをモットーにしています。公式SNS(X)は、@watanabesatosi7

