◆「走らせた判断」を責める前に考えるべき問題
一方で、「スタート前に分かっていたなら除外すべきだった」と、川田騎手や陣営の判断を疑問視する声もあった。ただし、現時点で確認できるのは川田騎手のレース後コメントまでだ。獣医師による正式診断の有無、症状が表れたタイミング、その後の経過は、公表ベースでは明らかになっていない。
したがって、「異変に気づいていたのに走らせた」と川田騎手や陣営を断定的に責めるのは適切ではない。問題を個人の判断だけに還元すれば、開催設計という本質がぼやける。
◆JRAは対策を強化…それでも残る真夏開催への課題
もちろん、JRAも手をこまねいているわけではない。2026年は新潟と中京の「競走時間帯の拡大」を6週間に延ばし、休止時間の設定や屋外滞在時間の短縮などを進めている。さらに2027年夏には、新潟と中京の競走数を1日12レースから7レースへ減らし、第1レースを午後3時ごろにする案が検討されている。対策をさらに踏み込ませようとする姿勢は評価すべきだ。
それでも、午後3時35分発走の重賞後に「明らかに熱中症でした」という言葉が出た事実は重い。診断の詳細は不明でも、このコメントが真夏開催のリスクを可視化したと捉えることはできるだろう。

