【福島県双葉郡・スポーツ】女子サッカーで地域を元気に。「日本一地域に愛されるチーム」を目指すFUKUSHIMA WWW.

【福島県双葉郡・スポーツ】女子サッカーで地域を元気に。「日本一地域に愛されるチーム」を目指すFUKUSHIMA WWW.

2025年3月。福島県浜通りに女子サッカーチーム「FUKUSHIMA WWW.(フクシマ ウィーアー)」が誕生しました。

浜通りは、ナショナルトレーニングセンター「Jヴィレッジ」が立地し、かつては女子サッカーチームも活動していた地域です。震災と原発事故を経て、その環境は大きく変わりましたが、今またこの地で新たな女子サッカーチームが動き始めています。

全国から集まった選手たちは、双葉郡で暮らし、企業や団体で働きながらサッカーに打ち込んでいます。仕事を終えるとグラウンドへ向かい、練習に励む日々。地域のイベントにも積極的に参加し、住民との交流を深めています。

チームを運営するREADY SOCIAL株式会社代表取締役の佐藤夏美(さとう なつみ)さんは、「日本で一番地域に愛されるチーム」を目指して、家族とともに大熊町へ移住。チームをゼロから立ち上げました。

どのような想いで女子サッカーチームを立ち上げ、どんな未来を描いているのか。佐藤さんとキャプテンの井久保茉桜(いくぼ まお)選手に話を聞きました。

地域の課題と女子サッカーをつなぐ

「スポーツで地域を元気にできないか」

そう考えるようになった原点は、広告事業を手がけていた頃の経験にありました。

当時、海外のサッカーチームの日本視察や合宿の受け入れに携わるなかで、佐藤さんはあることに気付きます。

「選手やサポーターが、その土地の文化に触れたり、地域の産品を購入したりすることで、地域に新たな価値やにぎわいを生み出せるのではないかと感じたんです」

佐藤さんは、スポーツを活かした地域づくりを学ぶようになります。

その後、福島12市町村の移住・定住支援に携わるようになり、移住者や帰還者、事業者、まちづくり会社へのヒアリングを重ねながら、移住・定住施策の形成に関わってきた佐藤さん。そのなかで、地域が抱える課題を目の当たりにします。

「大熊町、双葉町、浪江町などでは、人口の少なさや地域・産業を支える担い手不足など、さまざまな課題を抱えていると感じました。未来に向けた取り組みもまだ十分とは言えず、『自分に何かできることはないだろうか』と模索していたんです」

そんなときに出会ったのが、宮崎県都農町の事例でした。地域で働きながらサッカーを続ける選手たちを、住民がまちぐるみで応援する。その姿を目の当たりにした佐藤さんは、「このモデルなら、スポーツ選手だった自分の強みを活かしながら、浜通りの課題解決に取り組める」と感じたと言います。

さらに、佐藤さんにはもう一つ、以前から抱えてきた想いがありました。学生時代に女子サッカー選手としてプレーしてきた経験から、競技を続けたくても続けられない現実を見てきたのです。

「全国的に見ても女子サッカーの競技人口は多くありません。卒業後に競技を続けられる環境も限られていて、ずっと『女子サッカー選手の価値を高めたい』という想いがありました」

地域の課題と、女子サッカー界の課題。一見別々に見える2つの課題を結びつけることで、新しい地域づくりができるのではないか。そうして生まれたのが、「FUKUSHIMA WWW.」という構想でした。

一緒にチームを育てていきたい

「スポーツを通じて人を呼び込み、地域活性化につなげる女子サッカーチームをつくりたい」

構想から約2年。2024年11月からスカウトを開始すると、すぐに全国から選手が集まり始め、2025年3月には活動をスタートしました。

「本当に超爆速でしたね(笑)」

そう振り返る佐藤さんを突き動かしていたのは、浜通りへの強い想いです。

「この地域が、私を奮い立たせてくれるんです。ここには震災や原発事故による影響が続いており、風化させてはいけない問題だと思っています。そして浜通りなら、結果を出せるんじゃないかという漠然とした期待もありました」

選手集めで重視したのは、競技力よりも人間性です。

「強さや勝利へのこだわりよりも、人に優しくできることや、相手の立場に立って考えられること。そうした人間性を大切にして声をかけていきました。自分たちのやりたいことだけを叫んでも、地域の人たちに応援してはもらえません。地域の皆さんと信頼関係を築きながら、一緒にチームを育てていくことが大切だと考えています」

その想いに共感し全国から集まったのは、登録選手17名とスタッフ5名(2026年7月現在)。すでに7名の選手が双葉郡へ移住し、地域で働きながら競技に取り組んでいます。

配信元: Nativ.media

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