
多くの人を魅了するスイーツの代表格となった「パフェ」。たっぷりのフルーツが盛られたものからパティシエの技が光るもの、常識を覆すお食事系ものなど多様化し、様々な見方や考察が出る中で、今回ufu.(ウフ。)は一つのグラスの上で“職人が彩るパフェ”というものに一度立ち返り、食べ手側の考察ではなく、作り手の「頭の中」を紐解く、そんなパフェ連載を考えました。美しいパフェをグラスから、スプーンから、一つ一つ紐解いていきます。
美しいパフェを毎月ナビゲートしてくれるのは、AKB48で活躍する小栗有以さん。3度に渡りセンターを務めるなど、AKB48のエースとして活躍中。最近は女優、モデル、バラエティでも幅広い活動をしており、週3サウナ•アサイーに温泉•美容•腸活で美容と健康を「#美ユイティフル」で発信。
人気アイドル×パフェ。そんな斬新な切り口で、パフェの面白さを一緒に掘り下げていきます。
第8回となる本連載で訪れたのは、「PAYSAGE(ペイサージュ)」。代官山に本店を構え、「サロン・デュ・ショコラ」をはじめとする国内の人気イベントにも出店し、スイーツファンの間で広く知られる存在です。

本店2階にある完全予約制のカウンターでは、パフェが目の前で完成していくライブ感あふれる演出も大きな魅力。江藤英樹シェフが厳選した旬のフルーツを主役に、香り、食感、温度の異なるパーツを重ねたパフェは、その美しさと完成度の高さで多くのファンを魅了しています。
代官山のわずか6席というプライベートな空間で、コース料理のようにパフェを味わう。今回は、一杯の中に景色を描く江藤シェフのパフェ哲学を取材しました。
「グラス」:‟ひと口の一体感”を考えた全体の設計図としてのグラス

程よい高さと美しいバランスを備えた「PAYSAGE」のパフェグラス。イベントでもすっかりおなじみとなったこのグラスは、トップのボリュームと、主役となるフルーツの盛り付けを美しく見せる形状が特徴です。花が開くように大きく広がった口元にも、江藤シェフならではの設計思想が込められています。
江藤シェフ「パフェは見た目だけではなく『食べる体験』を設計するデザートだと考えています。そのため、グラスは器ではなく設計図の一部です。
私がよく使うグラスは、上部に程よい広がりがあり、下に向かってすぼまる形状です。最初にトップの華やかさを感じてもらいながら、スプーンを自然に奥まで入れられ、最後までバランスよく食べ進められることを重視しています。
パフェグラスの深さは、層の重なりを表現するために必要ですが、深すぎると一口ごとの一体感が失われるので、食べやすさとのバランスを大切にしています。
同じ構成でも、グラスが変われば層の比率が変わり、スプーンが変われば一口の情報量が変わります。料理でいう器とカトラリー以上に、パフェでは設計そのものに直結している存在だと思っています。」
江藤シェフ「PAYSAGEでは、パフェに合わせて大きいスプーンと小さいスプーンの2種類をご用意しています。大きいスプーンはグラスの底まで届く長さがあり、一口で複数の層をすくえるサイズです。味や温度、食感の重なりを一緒に楽しんでいただくためのスプーンです。一方、小さいスプーンはトップの繊細な飾りやチュイル、アイスなどをゆっくり味わうためのものです。最初の一口を大切にしたり、自分のペースで食べ進めたりと、お客様自身が食べ方を選べるようにしています。どちらも口当たりの良いステンレス製を使用し、厚みやカーブにもこだわっています。パフェはグラスやスプーンまで含めて完成するデザートだと考えています。」
「トップ」:最初に描くのは”味”ではなく”情景”

“最初に描くのは、味ではなく情景です”
そう話す江藤シェフ。果物を初めて食べたときの景色や、生産者の畑、季節の空気を思い浮かべ、それを一杯の中に表現することからパフェづくりが始まります。見た目をただ華やかに飾るのではなく、その世界観が自然と伝わることが大切。高さや抜け感、余白、色の重なりまで計算し、一つの作品として完成させていきます。
その物語の始まりを担うのが、パフェの「トップ」です。
江藤シェフ「トップは第一印象であり、アシェットデセールでいうアミューズのような役割を持たせています。まず軽さや香りを感じてもらえるチュイルやメレンゲ、ハーブや花などを使い、視覚と香りから季節を感じてもらいます。そこから果実へ入り、徐々にクリームやアイスへと繋がる導線を意識しています。
食感も軽いものから少しずつ厚みのあるものへ変化するように設計し、最初から最後まで飽きないリズムを作っています。」