下の世話もしたのよ!?…認知症の母を介護した65歳姉が「遺産分割」の場で豹変。〈仕送り月5万円〉を続けた62歳弟が絶句したワケ【弁護士が解説】

下の世話もしたのよ!?…認知症の母を介護した65歳姉が「遺産分割」の場で豹変。〈仕送り月5万円〉を続けた62歳弟が絶句したワケ【弁護士が解説】

親の介護をきょうだいで分担し、無事に看取ったあとに訪れる「遺産相続」。離れて暮らして金銭的援助をする者と、同居して毎日の身体介護を担う者との間には、目に見えない負担の格差が生じてしまいます。弁護士法人山村法律事務所の代表弁護士・山村暢彦氏が、金銭面と身体面で役割分担をして母の介護を乗り越えたはずの姉と弟の事例をもとに、親の預金の使い込みと予防策について解説します。

〈預金2,000万円〉認知症の母…仕送りした弟と介護を担った姉

カズヒトさん(仮名・62歳)は、都内で会社員として働きながら、実家で暮らす母(享年90)の介護費用として、毎月5万円の仕送りを続けてきました。

実家には独身の姉・ミツルさん(仮名・65歳)が同居しており、パートで働きながら母の身の回りの世話をしていました。母が認知症を発症してからの数年間、カズヒトさんは「遠くに住んでいるから、お金のことは任せてほしい」と頼み、ミツルさんも「あんたの仕送りのおかげで助かっている」と感謝していました。

母の口座には、父が遺した2,000万円ほどの預金があることを2人とも知っており、母自身も「これはお前たち2人に残すお金だからね」と常々口にしていました。

「遺産はきっちり半分に分けよう」弟の提案で、姉の様子が急変

その後、母が穏やかに息を引き取り、カズヒトさんとミツルさんは遺産分割の話し合いをすることになりました。

「姉さん、今まで本当にお疲れ様。母さんの遺産はきっちり半分に分けよう」

カズヒトさん自身、もうすぐ定年を迎えるにあたり、1,000万円が入れば老後資金の足しになると胸をなで下ろしていたのです。

しかし、その言葉を聞いた瞬間、ミツルさんの様子が急変しました。視線を泳がせ、額から異常なほどの汗を流し始めたのです。

母の通帳を開いた瞬間、カズヒトさんは思わず息を呑みました。2,000万円あるはずの残高が、500万円にまで減っていたのです。

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