ドバイ不動産価格とイラン攻撃の相関…2026年上半期データが示す市場の実態とリスク【国際弁護士が解説】

ドバイ不動産価格とイラン攻撃の相関…2026年上半期データが示す市場の実態とリスク【国際弁護士が解説】

3月に急減、しかし本当の底は停戦後の5月

月次データを見ると、戦争の影響は段階的に表れました。3月の売買は1万3,258件、1.89兆円。取引額は前月比29.2%減少しています。ただし、3月は例年、ラマダンの影響で取引が鈍りやすい時期でもあります。この減少を、すべて戦争の影響と考えるのは適切ではありません。

注:円換算1AED=44円。出典:Dubai Land Department公式ポータル。『エミネンス・レポート2026上半期』※より編集部作成。 [図表1]2026年上半期の月次売買件数と取引額 注:円換算1AED=44円。
出典:Dubai Land Department公式ポータル。『エミネンス・レポート2026上半期』より編集部作成。

4月7日に停戦が成立すると、4月の取引額は2.13兆円まで戻りました。ところが、上半期の底はその後に訪れます。5月は1万481件、1.30兆円まで減少しました。

なぜ、ニュースが最も緊迫していた3月ではなく、停戦後の5月が底になったのでしょうか。理由は、不動産取引には時間差があるからです。開戦前に合意していた案件は、3月や4月に決済されます。一方、戦争を見て新たな購入を止めた影響は、内見、交渉、契約というプロセスを経て、数週間から数か月遅れて成約データに表れます。

出典:『エミネンス・レポート2026上半期』※より。 [図表2]イラン攻撃と停戦をめぐる主な出来事 出典:『エミネンス・レポート2026上半期』より。

6月は取引件数が31.3%回復…ただし「全面回復ではない」

6月19日に停戦に関する覚書に署名されると、6月の売買件数は1万3,760件となり、5月から31.3%増加しました。様子を見ていた買い手が、少しずつ市場へ戻ったと考えられます。

ただし、取引額は1.44兆円で、件数ほど大きくは伸びていません。回復の初動を主導したのは、スタジオや1ベッドルームを中心とする小型・中価格帯の物件でした。

「件数が戻ったから、高額物件を含めて全面回復した」と見るのは早計です。回復局面でも、投資家は価格や物件を慎重に選んでいました。

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