夏の体臭は「食べたもの」で決まる。赤身肉、にんにく、野菜が汗に与える影響を医師が解剖

夏の体臭は「食べたもの」で決まる。赤身肉、にんにく、野菜が汗に与える影響を医師が解剖

◆にんにくは「口」と「脇」で正反対?

にんにく
ここで意外なのが、にんにくです。にんにくを食べた直後の口臭は、主に口の中に残った成分によるものです。ところが、時間がたってもにおいが続くのは、胃腸から吸収されたにおいの成分が血液を巡り、肺を通って「吐く息」として排出されるからです。歯磨きだけではにおいが消えないのは、この「体内ルート」による影響です。

ところが、脇のにおいでは逆の結果が出ています。先ほどと同じカレル大学などの研究チームが行った3つの実験で、計42人の男性に「生のにんにく」や「にんにくエキス入りカプセル」を摂取してもらい、その後の脇の汗のにおいを女性に評価してもらいました。

すると驚くべきことに、にんにくを多めに摂取した実験では、摂取後の体臭のほうが、摂取しなかったときよりも「より魅力的で、においの強さも弱い」と評価されたのです。

実は、にんにくには強力な抗酸化作用や、アリシンと呼ばれる細菌の増殖を抑える成分が含まれています。研究チームは、こうした働きがにおいのもとになる成分や皮膚の細菌に影響し、脇の汗が嫌なにおいに変わるのを抑えた可能性があると考察しています。

◆体臭対策として夏場に食べるべきもの

現実的には、肉を禁止するより、肉ばかりに偏った食事にせず、色の濃い野菜や果物を毎日の食卓に足すことが重要です。にんにくは、少なくとも「食べたら脇まで必ず臭くなる」と恐れる必要はなさそうですが、口臭ケアは必要そうですね。

制汗剤や入浴による身体の外側からのケアももちろん重要です。ただ、毎日の食事から「においの材料」を少し変えていくことも、低コストでできる第一印象の魅力度を上げるための投資となるわけです。

<文/岡本宗史>

参考資料
Havlicek J, Lenochova P. The effect of meat consumption on body odor attractiveness. Chem Senses. 2⁠0⁠0⁠6;31(8):747-752.
Zuniga A, et al. Diet quality and the attractiveness of male body odor. Evol Hum Behav. 2⁠0⁠1⁠7;38(1):136-143.
Fialová J, et al. Consumption of garlic positively affects hedonic perception of axillary body odour. Appetite. 2⁠0⁠1⁠6;97:8-15.
Suarez F, et al. Differentiation of mouth versus gut as site of origin of odoriferous breath gases after garlic ingestion. Am J Physiol. 1⁠9⁠9⁠9;276(2):G425-G430.

【岡本宗史】
東京大学大学院医学系研究科を修了後、埼玉県のクリニックにて実臨床に従事。「健康・エイジングケア」に関する知見を、医学的視点から紐解き、メディアやSNSを通じて多角的に発信している。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」評論家 等。 Instagram:@soshi_okamoto
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