精度向上で追徴税額過去最高…AI時代の「税務調査」に備えるために
国税庁が公表する「令和6事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」によれば、税務調査はAIを活用した調査先の選定などにより効率化が進み、所得税の追徴税額は1,431億円と過去最高を記録しています。
注目すべきは、調査の「量」だけでなく「質」も変化している点です。国税当局はAIを活用し、申告内容や第三者から提出される支払調書、登記情報、過去の申告・調査で蓄積された資料などを分析し、不自然な点がある案件を優先的に抽出しています。
そのため、「少額だから見つからないだろう」「現金取引ならわからないだろう」といった“逃げ道”は、これまで以上に通用しにくくなっています。
特に、相続で取得した不動産から生じる家賃収入などは、データの照合によって申告漏れを指摘される可能性があります。
名義人としては、最低限の責任として物件の現状を把握しておきましょう。もしも管理を他者に任せる場合は、たとえ家族であっても「管理委託契約書」や「覚書」を交わし、収入の分配方法や経費の負担、報告の頻度などを明確にしたうえで、正確な申告を行うことが、思わぬ追徴課税を防ぐ近道となります。
山原 美起子
株式会社FAMORE
ファイナンシャル・プランナー
