結婚して約30年。共働きや多様な生き方が広がり、夫婦の形も大きく変わりました。子どもが巣立ったあと、私たちはどんな夫婦でいたいのか。これからの関係を考えるきっかけになった3冊をご紹介します。
「夫婦だから話し合う」が難しい時代⁉『「夫婦」不在社会』三宅香帆・著

「え、今の夫婦ってこんな感じなの?」
文芸評論家・三宅香帆さんが、昭和から令和までの小説や映画、ドラマを読み解きながら、現代の夫婦が置かれている状況を考察した本です。
共働きが当たり前となり、お金を稼ぐことも家事も、夫婦二人で担う「夫婦両方が大黒柱」の時代。
「『夫婦で話し合うことが大切。』『家庭内の対話が大切』としばしば世間では言われているが、それこそが困難なのだということを本書はフィクションを用いて確認してきた。」(本書より引用)という一文が印象的でした。
女性活躍の推進や働き方改革で働きやすくなった半面、忙しさは増し、夫婦の時間の前に「私」の時間も取れていない、というつぶやきに現代の働く女性たちの本音を感じました。
本書では、坂元裕二さん脚本の映画「ファーストキス」や、話題になったドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」など、夫婦をテーマにしたさまざまな作品が紹介されています。村上春樹さんの小説を通して、時代とともに変化する夫婦像を読み解く考察も興味深く、紹介された作品にも触れてみたくなりました。
どの作品に共感するのかは、自分たちが目指したい夫婦の形を考えるヒントになるのかもしれません。
「夫婦とはこうあるべき」という答えを探すのではなく、時代とともに変わる夫婦の姿を知ることで、自分たちらしい夫婦のあり方を考えたくなりました。
『「夫婦」不在社会』講談社
結婚前に読みたかった!『人生が圧倒的にラクになる!夫婦ONE TEAM思考』山本久美子(じママ)・著

「こんな夫婦になれたらいいな」。読み終えた後、そんな気持ちが素直に湧いてきました。
本書では、夫婦を役割分担で支え合う存在ではなく、同じ目標に向かって進む「ONE TEAM」として考えることを提案しています。
共有するのは、子どもを持つ・持たない、働き方、お金の管理など、人生の大きなテーマだけではありません。休日の過ごし方や、お互いがお金をかけたいものなど、小さな価値観まで共有することが、夫婦関係を支える土台になると書かれています。
私は、この「小さな価値観の共有」がとても印象に残りました。
子育て中の私たちには「子どもの自立応援」というわかりやすいゴールがあり、部活の応援や学校行事の参加など、週末はいつも子どもの予定で埋まっていました。
でも夫婦二人の時間が増えた今、ワンチームとしてのゴールがわからなくなりました。
そんなときに
『(ワンチーム思考で夫婦がうまくいく5つの理由)一番の味方ができて、家が安全地帯になる。』(本書より引用)
この一言が刺さりました。
子育て後の私たちに必要なのは、新しい目標を探すことよりも、お互いにとって家を安全地帯にし、一番の味方でいることなのかもしれません。
もし子どもが将来結婚するなら、結婚前にそっと手渡したいと思える一冊でした。
『人生が圧倒的にラクになる!夫婦ONE TEAM思考』講談社

