「結婚=幸せ」の正解は一つじゃない『多類婚姻譚』凪良ゆう・著

登場人物みんなが幸せになってほしい。そんな気持ちで読み終えた小説でした。
仕事で成果を出しても結婚を期待され、結婚して仕事を離れれば「もったいない」と言われる。自分の正解が社会的に受け入れられにくい女性たちの苦悩が、とてもリアルに描かれています。
私自身、20代は結婚に憧れ、30代はキャリアがないことに寂しさを感じ、40代では子どもから「ママも自分の人生を探してね」と言われて、大きなショックを受けました。
自由に選んでいいと言われて選んだはずなのに、選ばなかった人生がまぶしく見えてしまう。登場する女性たちの気持ちが痛いほど伝わってきます。
この本には、婚約解消、結婚、離婚、不倫など、さまざまな人生を選んだ人たちが登場します。それぞれ独立しているように見えた物語が少しずつ繋がっていき、その先が気になって一気に読み進めました。
登場人物全員の幸せを祈りながら、そして、自分の人生だけではなく、これから子どもたちが選ぶ生き方についても考えました。
結婚することもしないことも、どんな相手と、どのような関係を築くことも、彼らが選んだ人生を尊重できる親でありたい。
多様な結婚の形に触れることで、夫婦や結婚についての考え方を少し更新できた気がします。
『多類婚姻譚』講談社
50代を迎え子どもが巣立ち、夫婦二人の時間が増えていくこれから。答えを探すためではなく、「私たちはどんな夫婦でいたいのか」を考える時間を持つこと自体が、大切なのかもしれません。
今回紹介した3冊は、そんな時間を与えてくれる本でした。

