夏休みに入ると学校給食が無くなり、子どもの昼食を家庭で用意する日々が始まります。食材費に加え、献立作りや光熱費などの負担も重なり、物価高が続く中では家計への影響も小さくありません。
2026年4月には、学期中の給食費を国が支援する新たな制度が始まりました。学期中は負担軽減が進みますが、長期休みの食費は支援されません。 夏休みの食費負担の実態と制度の内容を合わせて見ていきます。
2026年4月から始まった給食費支援の仕組み
2026年4月から、公立小学校(義務教育学校前期課程や特別支援学校小学部を含む)を対象に「学校給食費の抜本的な負担軽減」が始まりました。
自民党・公明党・日本維新の会の三党合意を踏まえ、文部科学省・総務省・財務省が制度設計を進めてきたもので、国が「給食費負担軽減交付金」を都道府県に交付し、自治体が食材調達費を補う仕組みです。保護者に対する個人給付ではないため、原則として申請などの手続きは必要ありません。対象は公立小学校の児童で、中学校の給食費はこれまで通り保護者負担のままです。
支援額の基準は児童一人・一月あたり5200円で、年間11か月分(夏休みを除く期間)が支援対象になります。この基準額は、令和5年度の学校給食費調査における全国平均(完全給食の場合、小学校で4688円)に、近年の物価上昇分を加味して設定されたものです。毎月の引き落とし額が軽くなれば、その分だけ家計に余白が生まれます。
基準額5200円までで「給食費の無償化」ではない
国の支援には月5200円という基準額が設けられています。
自治体によって給食の内容や実施回数は異なるため、実際の食材費が基準額を上回るケースもあります。超過分については、学校給食法に基づき、引き続き保護者から徴収できる仕組みです。そのため、地域によっては保護者負担がゼロにならない場合もあります。
文部科学省があえて「無償化」ではなく「抜本的な負担軽減」という表現を用いたのも、こうした事情を踏まえているためです。「無償化」という言葉が完全無償のイメージに繋がると、給食の質を独自に高めたい自治体では財政負担が増え、反対に財政を抑えたい自治体では給食の質が低下するおそれも指摘されています。制度名にも、こうした背景が反映されています。