◆車内では大声…女性が目撃した“当然の結果”
出張で新幹線を利用していた佐藤由紀さん(仮名・50代)は、発車して間もなく、前方の席から外国人らしき男性の大きな話し声が気になったという。「仲間同士で少し話しているだけなら我慢しましたが、ずっと大きな声で話し続けていて、車内中に響いていました。英語で『Be quiet, please』と言おうかとも思いましたが、相手は男性でしたし、トラブルになるのが怖くて結局言えませんでした」
周囲を見渡すと、多くの乗客が迷惑そうな表情を浮かべていたものの、誰も注意しようとしなかった。
佐藤さんは「海外から日本へ来てくれるのはうれしいです。ただ、新幹線などでは周囲への配慮もしてほしいと感じました」と話す。
◆改札で困っていても誰も足を止めなかった
目的地に到着し、新幹線を下りた佐藤さんは驚いた。車内でずっと大声で話していたのは複数人ではなく、ひとりだったのだ。おそらく電話していたのだろう。
そして、その外国人男性は、自動改札の前で駅員に身振り手振りを交えながら何かを訴えていたようだ。結果的に佐藤さんと同じタイミングで改札を出たが、その男性は出口がわからない様子で周囲を見回していたという。
「困っているにもかかわらず、車内で迷惑そうにしていた人たちは、誰も声をかけませんでした。もちろん、私もそのうちのひとりです」
本来であれば、困っている人を見かけたら助けたいという気持ちがあった。それでも佐藤さんは「車内であれだけ周囲への配慮がなかった姿を見てしまうと、自然と声をかける気持ちにはなれませんでした」と振り返る。
「少しでも気づかう様子があれば、きっと誰かが助けていたのだと思います。普段の言動は、巡り巡って自分に返ってくるものなんだと思いました」
そう思いながら駅を後にした佐藤さんは、「少しだけ胸のつかえが消えました」と話した。
<取材・文/chimi86>
【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

