ファーストクラスに乗ってみたい…働かなくても生活していける資産を持つのに「幸せを感じない」50代独身男性。会社を辞められず節約生活をずっと続けてしまうワケ

ファーストクラスに乗ってみたい…働かなくても生活していける資産を持つのに「幸せを感じない」50代独身男性。会社を辞められず節約生活をずっと続けてしまうワケ

老後を見据えて、NISAやiDeCoを始めた。家計簿をつけて、支出を細かくチェックしている……。将来に備えて、お金のことをきちんと考えている人は少なくありません。それでも、どこかでずっと「不安」がつきまとっている人も多いのではないでしょうか。冷静に考えれば、今日や明日を幸せに暮らすだけの十分なお金があるにもかかわらず、どうしてその「不安」が拭えないのでしょうか。その背景には、資産の多寡ではなく 「お金との向き合い方」 が隠れているようです。『不安通貨』(Gakken)より、著者である櫻井かすみ氏が、我々が抱く「お金の不安」の正体を紐解きます。

貯金しても、家計簿をつけても「お金の不安」が消えないワケ

あなたは、きっと「お金のことをちゃんと考えている人」だと思います。NISAやiDeCoを始めた方もいるでしょう。毎月コツコツ貯金をしている方もいるでしょう。家計簿をつけて、支出を見直して、将来のことを真剣に考えている方もいるはずです。それなのに、なぜか不安が消えない。

「もっとお金があれば幸せになれるのに」「このままで本当に大丈夫だろうか」そんな言葉が、夜ふとスマートフォンを置いた瞬間に、頭の中をよぎったことはないでしょうか。

■なぜかお金の不安や心配が消えない

■お金のことを調べれば調べるほど、正解がわからなくなる

■「もっといい選択があるのでは」と、いつも自分の判断を疑ってしまう

■老後のお金が足りるのか、漠然とした不安がずっとある

■お金を使うたびに罪悪感がある。楽しくお金を使えない

■子どもにお金の教育をしたいが、自分自身がお金と上手に付き合えている自信がない

■収入は決して少なくないのに、なぜか心が満たされない

■NISAやiDeCoを始めたのに、なぜか安心できない

■貯金額は増えているのに、「まだ足りない」と感じてしまう

■SNSで誰かの投資成績や暮らしぶりを見ると、焦りを覚える

■FIREや資産形成に興味はあるが、数字を追いかけるだけの人生でいいのか疑問を感じている

いくつ当てはまったでしょうか。1つでも「ああ、これは自分のことだ」と感じた方は、どうか安心してください。それはあなたが弱いからでも、知識が足りないからでも、努力が不足しているからでもありません。むしろその逆です。

あなたはすでに、「お金ときちんと向き合おうとしている人」だからこそ、この状態にたどり着いています。
 

実は、日本全体の資産は増えている

では、なぜこんなことが起きるのでしょうか。「お金の問題」だと思っているその不安の正体は、実は“お金そのもの”ではないからです。

「どういうこと?」と思われるでしょう。このまま、続けて読み進めてください。私たちはこれまで、「いくら持っているか」「どれだけ増やせるか」を教わってきました。現に、金融庁の調査(2025年6月末時点)によれば、NISA口座の開設数は制度開始当初(2014年1月)と比べて約5.5倍にまで増えています(図表1)。

出典:金融庁「NISAの利用状況」(2025年6月末時点) [図表1]NISAの利用状況 出典:金融庁「NISAの利用状況」(2025年6月末時点)

それくらい国民の投資・資産運用への興味関心が高まっていることがおわかりいただけるでしょう。しかも日本は、コロナ以降、投資・資産運用する人が増え、家計の金融資産全体を見ても右肩上がりです(図表2)。

出典:日本銀行調査統計局 2026年3月18日「参考図表 2025年第4四半期の資金循環(速報)」 [図表2]家計の金融資産 出典:日本銀行調査統計局 2026年3月18日「参考図表 2025年第4四半期の資金循環(速報)」

でもお金の不安は消えないですよね? それは一体なぜでしょうか。お金を増やすことより、“お金とどう向き合い、どう使い、どう感じるか”つまり、お金との「関係性」が大きく影響するからです。どれだけ資産が増えても、この関係性が整っていなければ、不安は消えません

逆に言えば、お金との関係性が変われば、資産が同じでも、感じる安心や幸福は大きく変わるのです。

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