「不必要な受診」か「必要な居場所」か
久仁子さんにとって、病院へ行く理由は膝の痛みだけではありません。そこには顔なじみがいて、自分の不在を気に掛けてくれる人がいます。医療機関が、本来の役割とは別に地域の見守りの役割まで担っている現状。しかし、必ずしも緊急性の高くない受診は、医療現場の負荷につながるという指摘もあります。
本来の医療提供の場としての効率性や制度の持続可能性が問われる一方で、高齢者の孤立を受け止める場が不足しているという構造的な課題も浮かび上がっています。
「また来週ね」
そう言って、“仲間たち”と別れる久仁子さん。こうした姿は、高齢化と孤立が同時に進行する現代社会が直面している現実といえます。
