
熱中症対策にはこまめな水分補給やエアコンなどで暑さを防ぐことが欠かせませんが、加えて50代は発汗機能が乱れやすく、うまく汗がかけなかったり逆にかきすぎてしまうために熱中症リスクが高まる傾向が。東洋医学で発汗機能を整えて、長引きそうな残暑を健やかに乗り切っていきましょう。
「水分補給」だけでは防げない?50代が汗をうまくかけなくなる3つの理由

このところ毎日のように流れている、熱中症警戒のニュース。今年は日本列島の上空で太平洋高気圧とチベット高気圧が重なり合う「ダブル高気圧」の影響で、10月頃まで残暑が長引くと予想されているとか。まだまだしばらくは、熱中症対策が欠かせないようです。
熱中症対策の基本は、こまめな水分補給とエアコンや日傘などを活用して暑さを避けること。しかし50代になると、水分不足を感知する力が低下してのどの渇きを感じにくくなっているため、知らず知らずのうちに熱中症に陥る「かくれ熱中症」になりやすいと言われています。常に飲みものを携帯したり目につく場所に置いたりして、のどが渇いてなくても水分をとり続けることを徹底していきましょう。
そのほか50代の場合は、暑くても汗がうまくかけなくなる傾向があり、それが熱中症リスクを高める要因にも。50代になると汗をうまくかけなくなる原因には、次のようなものが挙げられます。
◉「貯水タンク」である筋肉量の減少
筋肉の7~8割は水分であり、体全体の水分の約半分が筋肉に含まれていることから、筋肉は体内の「貯水タンク」と言われています。しかし50代になるとその筋肉量が低下する傾向にあるため、体内の貯水量も減少して汗をかきにくい状態に。また、筋肉量が低下すると血行が悪くなるために、発汗しにくくなるという側面もあります。
◉体温調節機能の低下
女性ホルモンの減少によって自律神経が乱れやすくなり、暑いときに適切なタイミングで汗をかいて熱を逃がすという体温調節機能が、うまく機能しにくくなります。
◉ホットフラッシュによる汗の消耗
更年期のホットフラッシュによって大量に発汗すると、体温調節に必要な汗の量が不足してうまく発汗できなくなる場合が。また、更年期の不調であるホットフラッシュと熱中症のサインである発汗とを混同しやすくなり、脱水症状に気づくのが遅くなるケースも多くなります。
50代の熱中症対策は、こうした発汗機能の低下をサポートすることも重要なポイント。前述した基本的な熱中症対策に加えて、「発汗機能を整える養生」もプラスしていきましょう。
東洋医学で読み解く!発汗機能をコントロールする「3つの要素」

東洋医学では汗は「五臓(ごぞう=体の機能を大きく5つに分けた東洋医学の考え方)」の「心(しん≒心臓機能)」と関わりが深いと考えられており、「汗は心の液」という言葉もあります。心のエネルギーは「心気(しんき)」と呼び、汗が必要以上に流れ出ないようにコントロールをする役割がありますが、この心気が不足すると発汗コントロールが難しくなり、汗がダラダラと出てなかなか止まらなくなってしまいます。
心の働きは血液を循環させるポンプ機能だけではなく「体の中の太陽」のような役割もあり、全身を温める熱をめぐらせる役割も持っています。この全身を温める心の熱を「心陽(しんよう)」と呼びます。汗をかくにはただ体内に水分があるだけでは不十分で、水分を体外へと発散するための熱が必要なのですが、その主な熱源となるのが心陽で、心陽が十分にめぐっていると必要なときに適度の発汗が起こるようになります。
また、心が全身にめぐらせている血液を「心血(しんけつ)」と呼びますが、この心血は汗の原料にもなります。そのため汗をかくには、十分な量の心血が維持されていることも欠かせません。
熱中症予防のために発汗機能を整えるには、この心気、心陽、心血を適切に補うことが効果的だと考えられます。これらのうちどれをより重点的に補うべきか、現状の体質を次のチェックリストで確認してみましょう。

