相続手続き開始時、まさかの〈遺言執行者の死亡〉が発覚…相続手続きをどう進めればいいのか?【司法書士が解説】

相続手続き開始時、まさかの〈遺言執行者の死亡〉が発覚…相続手続きをどう進めればいいのか?【司法書士が解説】

いざ相続手続きに着手しようと思ったら、遺言で指定された遺言執行者がすでに亡くなっていることが判明。遺言書はあるのに相続手続きが進まない…。実務において、このような相談は少なくありません。このようなケースではどのような対応が必要になるのか、具体的な流れに沿ってみていきましょう。司法書士法人永田町事務所の加陽麻里布氏が解説します。

遺言執行者が亡くなっていても遺言は有効

【相談例】

被相続人である私の父親は、10年以上前に公正証書遺言を作成していました。遺言執行者として知人の弁護士を指定していましたが、その弁護士は父親より先に亡くなっていることがわかりました。どのように相続手続きを進めたらいいのか、困り果てています。

このような場合、「遺言が無効になるのではないか」「誰が手続きを進めればいいのか」と不安になる方も多いでしょう。

結論からお伝えすると、遺言執行者が亡くなっていても、遺言書自体が無効になることはありません。遺言の内容や財産の分け方は、そのまま有効です。

問題となるのは、「誰が遺言を執行するのか」という点です。

通常、遺言執行者が指定されている場合は、不動産の名義変更や預貯金の解約、各種名義変更などの手続きを遺言執行者が行います。

しかし、その遺言執行者がすでに亡くなっていた場合には、そのままでは手続きが進められません。

家庭裁判所に申立てを行い、新たな遺言執行者を選任

遺言の内容によって遺言執行者が必要だと判断した場合、家庭裁判所へ選任申立てを行います。家庭裁判所に申立てを行うことで、新たな遺言執行者を選任してもらうことが可能となります。

申立てが認められると、新しい遺言執行者が正式に選任され、その人が遺言に基づく手続きを進めていくことになります。

ケースによっては、相続人自身が遺言執行者として選任されることもあり、また、遺言の内容や財産の種類によっては、遺言執行者を新たに選任しなくても手続きを進められる場合もあります。

とはいえ、さまざまな事情を踏まえたうえでの個別の判断となります。

家庭裁判所へ申立てを行う場合は、「申立書」や「遺言書」などの必要書類を提出します。裁判所がその内容を審査し、適任者を遺言執行者として選任します。

選任の審判が確定すれば、その人が正式な遺言執行者となり、各種相続手続きを進められるようになります。

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