念願のタワマン暮らしも、あっけなく崩壊
離婚後、サヤカさんは結婚生活で浮かせた約1,500万円の貯金から1,000万円を頭金に入れ、残る4,000万円のローンを組み、念願だった総額5,000万円の1LDKタワーマンションを購入しました。
残しておいた500万円の大半は購入時の諸経費に消え、手元に残った現金はわずか100万円ほどになっていましたが、サヤカさんは「毎月の安定収入があるからすぐに貯め直せる」と考えていました。
しかしその後、そこへ既婚者である会社の上司が頻繁に訪れるようになります。サヤカさんのプランを破壊したのは、皮肉にもその上司との社内不倫でした。
程なくして、上司との間に予期せぬ妊娠が発覚。これが引き金となり、上司の妻から数百万円の慰謝料を請求されますが、手元に残った現金では到底足りません。
さらにトラブルが社内に知れ渡ったことで、サヤカさんはそれまで築き上げたキャリアと年収650万円のポストを手放さざるを得なくなってしまったのです。慰謝料を払う現金すらなく、収入も途絶えた状態ではローンを払い続けることはできません。
不測の事態に対する「余白」がないマネープランはあっけなく崩壊。サヤカさんは、苦労して手に入れたタワーマンションを泣く泣く売却することになってしまいました。
【FPが警告】不測の事態に備える「現金の確保」の重要性
最近では「NISA貧乏」という言葉を聞くように、家計に余裕がないまま投資や住宅ローン返済に資金を回す人が増えています。
「円の価値が下がるから、現金を持たないほうがいい」という情報もありますが、不測の事態に備えるためには「現金」が不可欠です。投資信託や変額保険では即座の対応が難しく、住宅購入時も手元の現金をすべて使い果たすべきではありません。
2025年時点で、住宅ローン利用者の84.3%が変動金利を選んでいます。将来の金利上昇はもちろん、マンションの管理費、修繕積立金、火災保険料、固定資産税などの負担が増えるリスクも考慮しておく必要があります。
対策としては、積立定期預金や職場の一般財形貯蓄などが有効です。月5,000円でも、1万円でも積み立てておけば、いざというときに積立を停止したり、取り崩して支払いに充てたりする選択肢を持てるからです。
