
夏は、汗と一緒に鉄分も失われ、鉄分不足が起こりやすい季節。
鉄分たっぷりごはんで、夏バテとのダブルダメージを予防しましょう。
教えてくれたのは・・・
料理研究家
井原裕子さん
季節感を大切にしたていねいな料理から、時短レシピ、健康に配慮したレシピまで幅広く提案。企業のメニュー開発も多数手がける。鉄分たっぷりのスープ「乙女の味方」(石川食品)も監修。インスタ@iharayukoo
鉄分摂取の新常識で無理のない「鉄活」を
倦怠感を感じたり、集中力が続かなかったり、すぐにイライラしたり……。すべて更年期のせいにしていませんか?
でもその原因は鉄分不足の可能性も。
そこで、井原裕子さんが提案するのが、鉄分摂取の新常識を軸にした「鉄活」です。
「たとえば、鉄分といえばレバーを思い浮かべませんか? でもレバーは下処理も大変ですし、毎日食べるのも難しいものです。鉄活は、好きな食材を、吸収しやすい組み合わせで調理して、毎日続けるのがコツです」
鉄分豊富な食材として井原さんがおすすめするのは、かつおを蒸したあとで燻製にした「なまり節」。
鉄分含有量も高く、知る人ぞ知る鉄活スーパーフードです。
「ほかにも、鉄分フルーツの代表と言われてきたプルーンよりも、実は干しあんずやレーズンのほうが鉄分豊富なんです。また、野菜と言えばほうれん草でしたが、鉄分量から見ると、実は小松菜とブロッコリーが最強ですよ」
冷蔵庫に常備されている厚揚げ、木綿豆腐、納豆などの大豆製品も鉄分食材。
「ただ、これらの食材は〝非ヘム鉄〟といって鉄分吸収率が低いのです。でも肉や魚と合わせると吸収率が上がります。ビタミンC食材と組み合わせて食べるのも吸収率アップの秘訣。おかずにはパプリカを加えて、デザートにはキウイ。これだけ覚えておけばバッチリです」
おいしく、無理なく食べられる食材で、毎日の「鉄活」を続けてみましょう。
〔鉄分〕Q&A

Q. 鉄分にはどんな役割があるの?
A. 血中のヘモグロビンを構成し、全身に酸素を運びます
全身に酸素を運ぶ役割を担う鉄分。動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と、植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」の2種類があります。不足すると貧血や頭痛、疲労感を引き起こします。
さらに、コラーゲンの生成や脳の働きをサポートする役目も。1日の推奨量は50歳~64歳の女性で11.0mg(月経あり)、6.0mg(月経なし)。吸収が悪いので、毎日コツコツと食べ続けることが大切。
ヘム鉄
肉や魚に含まれる鉄分で、吸収率は25%ほど。非ヘム鉄に比べると、吸収性は5~6倍高い。他の食品成分に邪魔されずそのまま吸収されるので効率が良い。
非ヘム鉄
野菜、豆、穀物に含まれる鉄分。吸収率は3~5%ほどと低いため、肉や魚、卵などの動物性たんぱく質やビタミンC食材と一緒に摂ることで吸収率が上がる。
Q. 鉄分を多く含む食材は?
A. なまり節が圧倒的に豊富! 献立に取り入れやすい大豆製品や野菜類にも注目を
100gあたりの鉄分含有量は、圧倒的になまり節が多く、かつおやまぐろ、赤身肉と続きます。実は、ひじきなどの海藻は鉄分の含有量は少なめ。レバーは大量に食べるとビタミンAの過剰摂取につながることも。
鉄活には、毎日の献立に取り入れやすい食材を選ぶことが大切。豆腐や厚揚げ、納豆などの大豆製品は鉄分優秀食材。
鉄分の多い食材例(100g中)
なまり節 … 5.0mg
かつお … 1.9mg
まぐろの赤身 … 0.8~1.8mg
いわしの丸干し … 4.4mg
牛肉赤身 … 1.7~2.8mg
厚揚げ … 2.6mg
蒸し大豆 … 2.8mg
木綿豆腐 … 1.5mg
小松菜 … 2.8mg
ブロッコリー … 1.3mg
出典:日本食品標準成分表(八訂) 増補2023年
Q. 鉄分を効率よく摂取するには?
A. 非ヘム鉄は肉や魚と一緒に摂りましょう。ビタミンCも吸収率をアップします
「野菜や大豆製品に含まれる非ヘム鉄は吸収率が低いのですが、肉や魚と一緒に食べることで効率よく吸収されるようになります。ビタミンC食材と合わせるのもいいですよ。摂るならキウイやパプリカ、ブロッコリーがおすすめ」(井原さん)。また、食中食後のお茶やコーヒーは、吸収の妨げになるので避けるのがベター。

