
50代になると、肌をいたわる毎日のケアにもよりいっそう気合が入るもの。
でも、ちょっと考えてみて。そのスキンケアは、あなたの肌が本当に求めているケアですか?
自分の肌なのに、意外とわからないことが多いのではないでしょうか。
私たちが日々向き合っている肌のことを、たまには鏡越しではなく、東洋医学の扉からのぞいてみませんか?
ありのままの素肌をもっと愛せるようになれるかも!
美しさの鎧(よろい)を脱いで。東洋医学から読み解く「肺」と肌のつながり

毎朝、鏡を見ては「なんだかくすんでいるかも」「もっとハリを出したいな」などと一喜一憂し、あの手この手を駆使して変身する肌。美しさの鎧(よろい)をまとって、毎日頑張ってくれています。
そんな人生のパートナーと言っても過言ではない私たちの肌ですが、実は東洋医学では「肺」の一部だとされています。
「内臓である肺と体表面を覆う肌、全然関係のない別々の器官じゃないの?」
きっとそんなふうに思うでしょう。
一般的な西洋医学で考える肺と、東洋医学における肺の概念は、完全なイコールではありません。呼吸を行う器官であるという点はどちらも同じですが、東洋医学における肺には「体の内側と外側の境界面」としての働きが含まれています。
肺は気道を通じて外界と直接つながっている内臓で、肺→気管支→鼻腔→表皮までが密接に連動し、ひとつのシステムとなって体の内側と外側とを隔てる境界面となっています。その境界面の一部である肌は、肺の一部でもあると考えられているのです。
肺、そしてその一部である肌は、「体の内側と外側の境界面」としてフィルターやバリアの働きをになっています。フィルターの働きとは、新鮮な空気を吸収して不要な空気を排出する呼吸機能や、毛穴の開閉や発汗によって熱を排出したり冷えを防いだりする体温調節機能、バリアの働きとは有害物質や細菌類が体内に侵入するのを防ぐ免疫機能。日頃私たちは外側から見た肌の美しさばかりに着目しがちですが、肌の本来の役割はこうしたフィルターやバリアとして働くことで体の内側の健康を保つことであり、フィルターやバリアの働きがあってこその美しい肌なのです。
肌のつやは「呼吸」から生まれる。今日から始めたい鼻呼吸の習慣

肌が肺の一部であるということは、肺の状態が肌にも反映されるということでもあります。例えば、肺のエネルギーが不足すると肌も弱くなって肌荒れが起こる、肺の水分が不足すると肌も乾燥してカサつく、肺に熱がこもると肌にも炎症や吹き出物が起こる……など。肌の調子が悪いときは、往々にして肺の調子が悪いと言えます。肌のケアをするということは、肺のケアをする必要があるということになりますね。
健康的な肌を印象づけるものと言えば「肌のつや」ですが、この肌のつやは肺の呼吸と極めて密接な関係があります。
東洋医学では、肺の呼吸がポンプのような働きをして、体内のエネルギー、血液、水分を体のすみずみまでめぐらしていると考えられています。肌を潤す水分や栄養分も同様に呼吸の力によって肌のすみずみにまで行き渡り、肌のつやを生み出しているのです。また、肌も肺の一部として微細な呼吸をしており、肌自体の呼吸が肌につやを与える要因にもなっています。
肌のつや対策と言えばスキンケアやメイクなどの外側からのアプローチになりがちですが、つやに対して圧倒的な影響を占めるのは呼吸の力。呼吸が浅くなると肺の力が弱くなり、肌荒れや肌の乾燥などが現れやすくなるのです。日頃から深く呼吸することを意識しつつ、肌の呼吸を邪魔することなくサポートすることが、肌のつやを生み出すための本質的なケアと言えるでしょう。
そこでまず、みずみずしいつや肌を保つための基本的なケアとして「鼻呼吸の徹底」を意識してください。鼻は肺に直結する器官であり、口呼吸ではなく鼻呼吸を行うことが肺のエネルギーを高める養生となります。口呼吸になりやすい人は、舌先を上の前歯の裏側にあるぽっこりした部分に軽くつけることを習慣にしてみましょう。舌をこの位置に置くと口が自然と閉じ、鼻呼吸が促されます。また、アロマの香りを鼻呼吸のスイッチにする方法もおすすめ。仕事や家事などの合間にひと息つきたくなったときに、アロマの香りを鼻からゆっくりと吸い込むことをルーティンにすると、次第に香りを感じると鼻から深く息を吸い込もうと本能的に反応できるようになるでしょう。

