「84歳の現役営業マン」が貫く、数字よりも大切なこと。“効率重視”の社会に一石を投じる、真摯に人と向き合う生き様

「84歳の現役営業マン」が貫く、数字よりも大切なこと。“効率重視”の社会に一石を投じる、真摯に人と向き合う生き様

◆今も元気でいられる秘訣は…

長谷昭夫
都内初の樹木葬墓地の「エンディングセンター桜葬墓地」
いずみ浄苑の敷地は10年前の拡張を経て、今では墓地の広さは42,832㎡。東京ドームに一歩届かない広さになった。営業として、この広い敷地を毎日歩いて客を案内する。それも、今も元気でいられる理由の一つなのかもしれない。

「今でも草むしりや花の世話をしていますし、お客さんの案内もしますし、足腰はしっかりしていると思いますよ。もともとスポーツも好きで、いろいろやってきましたし、今も家で体操を毎日しています」

食事も、特別なことはしていない。しいて言うなら、酒をきっぱりとやめたことだ。健康のバロメーターは毎年の健康診断だそうだ。

「毎年、会社の健康診断を受けています。オプションもできる限り受けて、自分の健康状態を知るようにしています。そのおかげなのか、ここ何年かは再検査に引っかかったことはありません」

◆小さな心配りが、静かに返ってくる時

昭和の時代から駆け抜ける営業マンと聞くと、数字を追うバリバリのやり手をイメージするかもしれない。だが、長谷さんは意外にも、数字を追わない。

「自分が精いっぱいやって、それで結果に納得できればいいと思ってるんです。数字よりも、目の前の一人ひとりとどう向き合うかの方が大事だと思います」

お参りに来た人が、目当ての墓の場所がわからず困ることがある。そんな時は、目印代わりに花を挿しておく。

「お参りに来ても、場所がわからないとかわいそうですから、いらっしゃることが事前にわかっていれば、先にその方の墓地に花を挿しておくんです。お客さんに喜ばれたのも嬉しかったのですが、後輩たちがマネをして同じようにしてくれてるのも、嬉しかったですね」

そしてもう一つ、長谷さんを喜ばせた出来事がある。かつて競い合ったライバル酒造会社の営業マンが、契約に来てくれたことだ。長年、業界の中で分け隔てなく接してきたことが、思わぬ形で返ってきたのかもしれない。

これからの目標を尋ねると、長谷さんは静かにこう答えた。

「今からどうこうなりたいというのはないですね。それよりも大事なのは現状維持です。体を大事にして、会社やお客様に迷惑をかけない形で、ずっとお手伝いできればいいかなと思っております」

長谷昭夫
<取材・文・写真/安倍川モチ子>

【安倍川モチ子】
東京在住のフリーライター。 お笑い、歴史、グルメ、美容・健康など、専門を作らずに興味の惹かれるまま幅広いジャンルで活動中。X(旧Twitter):@mochico_abekawa
配信元: 日刊SPA!

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