“ママ達の元気と輝きを引き出すコーチング講師”として知られる山崎洋実さんに話を聞いた。
「実は、育児ノイローゼと産後うつの違いは、医師の考え方によって様々。ですが、一般的に育児ノイローゼは育児ストレスからの症状、産後うつは産後のホルモンバランスの崩れを原因とする症状という点で異なるとされています」(山崎さん 以下同)
産後は赤ちゃんのベッドであった子宮が収縮したり、母乳を作り始めたりと、女性の身体に内分泌学的変化が急激に生じる時期。ホルモンバランスが大きく変わることで、うつ状態を引き起こしてしまうのが産後うつだ。
「一方、育児ノイローゼは、育児によるストレスを起因とする心身の不調。『子どもが食事をしてくれない』『寝てくれない』など、育児にまつわる様々なストレスが引き金となって起こると言われています」
また、この両者の違いは症状が出る時期で判断される場合もある。
「産後うつは出産1カ月から始まり、長くても1年以内には症状がおさまることが多いといわれています。育児ノイローゼは、出産後1年以上を経過しても改善が見られなかったり、いわゆる『イヤイヤ期』を迎えた2歳くらいの子どもの育児に直面したりして、発症してしまうパターンがあります」
育児のストレスが引き起こす、育児ノイローゼにみられる症状の一例は下記の通りだ。
・食欲が落ちた、食事をおいしいと感じられない
・理由がないのに突然悲しくなる
・わけもなく涙が出てくる
・予定通りにいかないと絶望的な気分になる
・突然不安な気持ちに襲われる
・眠れなくなった
・自分が親として失格だと感じる
・まわりの子どもと自分の子を比べ、成長が遅いと焦る
・何かが起こると自分のせいだと感じてしまう
・些細なことで子どもを怒鳴ったり、つい手が出てしまう
・子どもが可愛いと思えない
・自分が子どもだった時の親の言動を思い出して辛い
育児ノイローゼも産後うつもどちらも本人にとってはつらい状態。心の調子が良くないかも…と思ったら、今すぐに周りに相談することが必要だ。
(北東由宇+ノオト)