「子どもを怒鳴ってしまい、その後自己嫌悪にかられる、というパターンを繰り返すママはたくさんいます。もし子どもが会話をできる年齢であるのなら、きちんと謝りましょう。その際、ただ『ごめんね』というだけではなく『ママはお掃除してキレイにしたのに汚されちゃったから悲しかったんだ』などと、できるだけ子どもに分かるように説明をすることが大切です。理不尽に怒りを撒き散らしてしまった場合は、より優しくフォローすることが必要です」(山崎さん 以下同)
では、子どもを叩いたり、手が出てしまったりした時はどうするべきだろうか。
「やめたくても何度も手が出てしまうのは、自分で自分を制御できておらず、非常に危険な状態です。いったん子どもから離れ、迷わず心療内科やカウンセラーなどの専門家に相談しましょう」
悲しい話だが、自身が子どもの時に親に叩かれた経験していると、自分の子どもの育児の際に手を出してしまうという傾向があるそうだ。育児は、両親との親子関係を見つめ直す場ともなるという。
子どもを虐待してしまうなどの悲劇を生まないために、育児ノイローゼとどう向き合っていくことが大切だろうか。
「子育ては1人でできるものではありません。“誰かの手を借りてもいいんだ”ということを常に頭におきましょう。現代は人間関係が希薄で“孤立の子育て”と言われる時代です。シッターサービスを使ったり、ママ友同士で協力しあえる環境を作ったりしましょう。1週間に1回、それが無理ならひと月に2回と、回数を決めて思い切って子どもを預け、自分1人の時間を作るとストレスが軽減されます」
人に助けてもらった時は“借りを作って申し訳ない”と思うのではなく、自身の子どもが手を離れた時に、次の世代の育児を手伝うことで還元するんだと前向きに考えよう。甘えることや弱音を吐くことは決して悪いことではない。
「育児に“正しさ”や理想を追い求め過ぎず、不安なことは専門家に聞くなど、自分でため込まないでリラックスして育児をしていきましょう」
ママがご機嫌でいられることが、良い育児につながる。周囲に相談しながら、ストレスをため込まないことが重要だ。
(北東由宇+ノオト)