【お菓子作りの砂糖の基本】砂糖の種類や使い分けをプロが解説!

【お菓子作りの砂糖の基本】砂糖の種類や使い分けをプロが解説!

お菓子作りの場合、洋菓子ではグラニュー糖を使うことが多いです。

しかし、自宅に常備している砂糖が他の種類だと「これで代用できないかな?」と思いませんか?
また、ダイエットや健康のために糖質を減らしたい、できるだけ天然のミネラルが残っている砂糖を使いたい、といったことを考える方もいるでしょう。

そこでこの記事では、製菓衛生師の資格を持つ筆者が砂糖の役割や疑問をまとめました。

お菓子作りにおける砂糖の役割

(画像出典)PIXTA

砂糖の役割は、大きく分けて5つあります。

甘みをつける

砂糖の一番大きな役割は、当然ですが甘みをつけることです。砂糖の主成分はショ糖と呼ばれる糖質で、体に必要なエネルギー源であることから、甘いお菓子は多くの方が本能的に「美味しい」と感じます。

しっとりとした食感に仕上げる

砂糖は保水性が高く、水分と結びついて抱え込む性質があるため、熱を加えても水分が適度に残り、しっとりとした食感のお菓子になります。

着色と香ばしさをプラスする

砂糖の主成分である糖質と小麦粉や卵に含まれるアミノ酸に熱を加えることによって、メイラード反応(褐色化)が起こり、いわゆる焦げに繋がります。
こんがりとしたきつね色の見た目と香ばしい香りは、お菓子をより美味しく感じさせる大切な要素です。

味の劣化を抑制する

油が酸素と触れると酸化が進み、風味や味が劣化します。しかし、砂糖が加わると油の中の水分は砂糖と結合するため、酸素と結合しにくくなります。
結果的に、油の酸化を抑制することができるのです。

卵の泡立ちを助ける

砂糖は卵の水分を適度に吸着することで、泡立ちをよくします。
また、たんぱく質の変性を抑制する作用があり、一度できた気泡を安定させるので、卵の気泡性を利用して生地をふんわりと仕上げるお菓子には必要不可欠な存在です。

砂糖の種類と特徴

ここでは、お菓子作りに使われることの多い主な砂糖の種類や特徴を紹介します。

グラニュー糖

(画像出典)PIXTA

主にサトウキビから作られ、海外で砂糖といえばグラニュー糖が一般的です。

不純物がほとんど含まれていないためクセがなくすっきりとした甘さで、どんなお菓子とも相性がいいです。
洋菓子のレシピで“砂糖”と記載があれば、グラニュー糖を使いましょう。

上白糖

(画像出典)PIXTA

日本人にとって一番身近な種類ですが、実は日本独自の砂糖です。味に深みがあるものの、クセはありません。
わずかに水分が含まれているため、しっとりとしているのも特徴。羊羹や饅頭など、和菓子は上白糖で作られることが多いです。和菓子のレシピに“砂糖”と記載があれば上白糖を使いましょう。

粉糖


グラニュー糖をキメの細かい粉末状にひいたもので、パウダーシュガーとも呼ばれます。水に非常に溶けやすく、口溶けのいいお菓子に仕上がります。
粉糖を使うお菓子といえば、ほろほろとした食感が特徴のスノーボールや口溶けの良さが重要なマカロンなどです。

空気中の湿気を吸いやすいので、一般的に販売されている粉糖の多くはコーンスターチが添加されています。コーンスターチ不使用の粉糖や、美しい仕上がりが続くよう油脂をコーティングして溶けにくくしている粉糖もあるため、用途に合わせて使い分けてください。

てんさい糖

(画像出典)PIXTA

てんさいと呼ばれる作物から作られる砂糖で、まろやかでさっぱりとした甘みがあるのが特徴です。

また、上白糖やグラニュー糖に比べて精製度が低く、オリゴ糖やカリウム、カルシウムなど天然のミネラルが残っています。

水に溶けやすいとはいえないので、お菓子作りで使用する場合は、粒子が細かい粉末タイプを使うといいでしょう。

黒糖

(画像出典)PIXTA

黒糖は、サトウキビの絞り汁を煮詰めて固めた砂糖です。
独特の風味や苦味があるため、レシピを選びますし、好みも分かれます。

一般的に販売されている黒糖は写真のようにブロック状に固まっていて水に溶けにくいので、お菓子作りに使う場合は粉末タイプのものを選ぶと便利です。

きび砂糖

(画像出典)PIXTA

きび砂糖も、サトウキビから作られる砂糖です。サトウキビの液を煮詰めて作るため薄茶色で、精製されたグラニュー糖や上白糖よりもミネラルを多く含むのが特徴です。
まろやかなコクがあり、最近ではお菓子作りやお料理に好んで使う人も多いです。

色が似ている三温糖と混同されることもありますが、三温糖は白砂糖が作られた後、残った液を結晶化して作られるもの。サトウキビの液を煮詰めるきび砂糖とは別ものです。

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