カツオの栄養を管理栄養士が徹底解説!マグロとの比較も紹介

カツオの栄養を管理栄養士が徹底解説!マグロとの比較も紹介

カツオのたたきや、お刺身で手軽に食べられるカツオですが、どんな栄養があるか知っていますか?実は老若男女問わず、カツオには体に嬉しい栄養がたっぷり含まれているんです。そんなカツオの栄養を管理栄養士が徹底解説!加えて、カツオの旬や魚人気ナンバーワンのマグロとの栄養の比較も紹介します。

カツオは栄養満点!

管理栄養士から見てもカツオは、老若男女問わず食べてほしい栄養満点な魚です。
今回はどんな栄養素が含まれているのかをはじめ、春に獲れる「初ガツオ」と秋に獲れる「戻りガツオ」での栄養素の量を比較、また刺身1人前で1日に必要な成分のうち、どのくらい摂ることができるのかを解説します。

まずは特に多く含まれている栄養素から。

DHA・EPA

DHA・EPAはオメガ3と呼ばれ、私たちが積極的に摂取したい油といわれています。

その理由は、血中の中性脂肪値の低下や不整脈の予防、血栓をつくりにくくする役割があり、生活習慣病を予防するために必要とされているからです。

オメガ3が特に多く含まれているのは秋に獲れる「戻りガツオ」です。
なんとカツオのお刺身1人前(100g)で1日の半分以上のオメガ3を摂取することができます。

1日に必要とされるオメガ3の目安量

・成人男性:2.0〜2.2g
・成人女性:1.6〜2.0g

1人前(100g)のカツオに含まれるオメガ3の量

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鉄分

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鉄分は男女ともに必要な栄養素で、特に女性は月経や妊娠・授乳期で必要量が左右します。鉄分には、カツオなどの動物性に含まれる鉄分を「ヘム鉄」、ほうれん草などの植物性に含まれる鉄分を「非ヘム鉄」と呼んでいます。ヘム鉄は、非ヘム鉄よりも吸収されやすいのが特徴です。

鉄分は1日の摂取量を摂ることがなかなか難しいですが、成人女性であれば、カツオ1人前(100g)だけで約1/3日分の鉄分を摂ることができます。

1日に必要とされる鉄分の推奨量

・成人男性:7.0〜7.5mg
・成人女性(月経なし):6.0〜6.5mg
・成人女性(月経あり):10.5〜11.0mg

1人前(100g)のカツオに含まれる鉄分の量

初ガツオ:1.9mg
戻りガツオ:1.9mg

たんぱく質

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カツオはたんぱく質が豊富なのも特徴で、特にダイエット中でもおすすめな食材といえます。
たんぱく質は、筋肉・臓器・皮膚・毛髪など、私たちの体の構成成分として働きます。そのほかにもホルモン・酵素・抗体など、体を調節する働きとして重要な役割をもっています。

カツオ1人前(100g)で、1日の約1/3~半分のたんぱく質を摂取することが可能です。

1日に必要とされるたんぱく質の推奨量

・成人男性:60〜65g
・成人女性:50〜55g

1人前(100g)のカツオに含まれるたんぱく質の量

・初ガツオ:25.8g
・戻りガツオ:25.0g

たんぱく質は、高齢者の「フレイル予防」としても大切な栄養素。老若男女問わずにしっかり摂取しましょう。

フレイルとは?

フレイルの症状として体重減少や筋力低下、気力の低下などがあげられます。フレイルが進行することで、死亡率の上昇や身体能力の低下が起き、何らかの病気にかかりやすくなったり、入院するなどといったストレスに弱い状態になることを指します。

一緒に食べられる薬味にはどんな効果があるの?

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カツオは調理せずにお刺身で食べたり、カツオのたたきで食べるのが主流ですが、薬味としてにんにくもつけてあることが多いですよね。
実は、薬味は美味しいだけではなく他の理由があって添えるようになったんです。

カツオのたたきの薬味として「にんにく」がよく使われますが、実は美味しいだけではなく、「抗菌作用」の働きもあるんです。
にんにくに含まれるアリインが酵素の活性によりアリシンになることで、強い抗菌作用を発揮します。薬味として使われるようになったのも、食中毒を防ぐことから始まったともいわれています。

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