「ひじき」は鉄分たっぷり?
鉄分豊富な食べ物といえば「ひじき」をイメージする方も多いのではないでしょうか。実は近年、ひじきの鉄分含有量が見直され、ひじきの鉄分は豊富とは言いにくくなっています。
もともとひじきの鉄分が豊富だったのは、ひじきを加工(蒸し煮)するときに使う鉄釜に含まれる鉄分がひじきに移行していたからです。ひじき自体に鉄分がたくさん含まれているわけではありません。
昔は鉄釜でひじきを炊くのが一般的でしたが、近年ではステンレス釜で加工するのが主流となりました。そのため、ひじきに鉄釜の鉄分が移行しなくなり、鉄分の含有量が大幅に減ることとなったのです。
どのくらい違いがあるのか、乾燥したひじき100gあたりの鉄分の量を比べてみましょう。
- 干しひじき(鉄釜)…58mg
- 干しひじき(ステンレス釜)…6.2mg
なんと、約9分の1の量まで減っていることがわかります。
「ひじき=貧血によい」というのは今では当てはまりにくくなりましたが、ひじきには鉄分以外のさまざまな栄養素も含むため、日々の食生活に適度に取り入れましょう。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
注意!鉄分の吸収を妨げる食べ物
鉄分の吸収を妨げてしまうものは、玄米などに含まれるフィチン酸、緑茶や紅茶などに含まれるタンニンなどがあります。
貧血が気になる方は、毎食玄米を食べるのは避ける、緑茶や紅茶は食事中や食後のタイミングは避けるのもよいでしょう。
一方で、一般的な食生活を送っていれば、多くの場合は鉄の摂取に問題はないともされています。過剰に摂りすぎなければ心配しすぎる必要はないでしょう。
※参照:厚生労働省 「e-ヘルスネット(抗酸化物質)」,厚生労働省「『統合医療』に係る 情報発信等推進事業(鉄)」
配信: トクバイニュース