「ピンクの象を想像しないでください」
突然ですが、このように言われると、人は「想像しないで」と言われているのにもかかわらず、頭の中でピンクの象をイメージしようとしてしまいます。
同じように、「理想のイクメン夫なんているはずがない!」と思えば思うほど、「理想のイクメン」が浮かんできて、「なぜ、うちの夫はイクメンじゃないんだろう?」という負のスパイラルに陥っていくのです。しかも、昨今は結婚・妊娠・出産関連のテレビ番組や雑誌を見れば、かならずと言ってよいほど「イクメン」の特集が組まれていて……。でも、ここに大きな落とし穴がある、と岡野あつこさんは言います。
「そういうメディアに登場するイクメンというのは、若手有名俳優だとか会社経営者、外資系金融のビジネスマンだったりして、なおかつ“顔やスタイルの良い男性”ばかりが取り上げられるじゃないですか。これによって、イクメンに対する憧れが過剰なまでに大きくなって、『なんで、うちはこうじゃないのないの!?』という不満を抱くようになるのが問題なんです。ズバリ言わせてもらうと、そんな「完璧なイクメン」なんて、1万人に一人もいませんよ(笑)。夫に理想を押しつける前に、まず自分が“笑顔で夫を送り出し、帰ってくれば明るく出迎える理想の妻”や“子どもを温かい愛情で育てる理想の母親”になった姿を思い描いてみてください。たったそれだけでも、あなたの興味の対象に変化が起きるはずです」
あと、岡野さんは「産後クライシスで“離婚”という悲劇に向かって突き進んでしまう女性は、“シングルマザーの大変さ”を理解していない」とも注意を促しています。
「とりあえずは最低限、次の7つのことを考えて、あなたがシングルマザーになったときのシミュレーションをしてみてください。
・ 貯金と住むところはあるのか
・ 慰謝料や養育費は見込めるのか?
・ 両親などの家族は理解してくれるのか?
・ 親族・友人にどう報告するのか?
・ 子育てをしながら働けるのか?
・ 子どもが病気やケガをした場合、頼れる人がいるのか?
・ 子どもに父親のことをどう説明するか?
冷静に考えれば、そう簡単に“離婚”なんてことは言い出せないのではないでしょうか?」