産後クライシスを予防するには?

産後クライシスを予防するには?

第2回 産後クライシス-出産後に訪れる夫婦の危機
「産後クライシス」とは文字どおり、「出産後に起こる夫婦関係崩壊の危機」のこと。もし、あなたが不安に感じているなら、まだ間に合います。
その理由と対処法について、ただいま絶賛発売中の『産後クライシス〜なぜ、出産後に夫婦の危機が訪れるのか〜』の著者で、夫婦問題研究家の岡野あつこさんに、詳しいお話をうかがいました。

「ピンクの象を想像しないでください」

突然ですが、このように言われると、人は「想像しないで」と言われているのにもかかわらず、頭の中でピンクの象をイメージしようとしてしまいます。
同じように、「理想のイクメン夫なんているはずがない!」と思えば思うほど、「理想のイクメン」が浮かんできて、「なぜ、うちの夫はイクメンじゃないんだろう?」という負のスパイラルに陥っていくのです。しかも、昨今は結婚・妊娠・出産関連のテレビ番組や雑誌を見れば、かならずと言ってよいほど「イクメン」の特集が組まれていて……。でも、ここに大きな落とし穴がある、と岡野あつこさんは言います。

ピンクの象を想像しないでください

「そういうメディアに登場するイクメンというのは、若手有名俳優だとか会社経営者、外資系金融のビジネスマンだったりして、なおかつ“顔やスタイルの良い男性”ばかりが取り上げられるじゃないですか。これによって、イクメンに対する憧れが過剰なまでに大きくなって、『なんで、うちはこうじゃないのないの!?』という不満を抱くようになるのが問題なんです。ズバリ言わせてもらうと、そんな「完璧なイクメン」なんて、1万人に一人もいませんよ(笑)。夫に理想を押しつける前に、まず自分が“笑顔で夫を送り出し、帰ってくれば明るく出迎える理想の妻”や“子どもを温かい愛情で育てる理想の母親”になった姿を思い描いてみてください。たったそれだけでも、あなたの興味の対象に変化が起きるはずです」

あと、岡野さんは「産後クライシスで“離婚”という悲劇に向かって突き進んでしまう女性は、“シングルマザーの大変さ”を理解していない」とも注意を促しています。

「とりあえずは最低限、次の7つのことを考えて、あなたがシングルマザーになったときのシミュレーションをしてみてください。

・ 貯金と住むところはあるのか
・ 慰謝料や養育費は見込めるのか?
・ 両親などの家族は理解してくれるのか?
・ 親族・友人にどう報告するのか?
・ 子育てをしながら働けるのか?
・ 子どもが病気やケガをした場合、頼れる人がいるのか?
・ 子どもに父親のことをどう説明するか?

冷静に考えれば、そう簡単に“離婚”なんてことは言い出せないのではないでしょうか?」

 岡野あつこ
 岡野あつこ
株式会社カラットクラブ、NPO日本家族問題相談連盟理事長
夫婦問題研究家。24年間のカウンセリングにおいて、30,000件以上の夫婦問題の相談に携わってきた。後進のカウンセラー育成にも力を入れ、岡野あつこのライフアップスクールを開講。
夫婦問題研究家。24年間のカウンセリングにおいて、30,000件以上の夫婦問題の相談に携わってきた。後進のカウンセラー育成にも力を入れ、岡野あつこのライフアップスクールを開講。