5、調停調書の内容を相手が守らない!4つの対処法
残念ながら「養育費を支払ってくれない」といった調停終了後のトラブルは珍しくありません。
調停で合意した内容を相手が守らない場合にはどうすればよいのでしょうか?4つの対処法をご紹介します。
- 催促する
- 内容証明郵便を送る
- 裁判所に履行勧告・履行命令をしてもらう
- 強制執行に踏み切る
(1)催促する
まずは、相手に連絡して催促してみましょう。単に支払いを忘れているだけの可能性もあります。いきなり強い手段に出るのはトラブルの元なので避けてください。
(2)内容証明郵便を送る
なかなか連絡がとれなかったり、支払いを拒んだりするときには、内容証明郵便を送付するのがひとつの手です。
内容証明郵便とは
- 「いつ」
- 「誰が誰に」
- 「どのような内容の」
文書を送ったかを郵便局が証明する郵便をいいます。
内容証明郵便が届くことは日常生活でまずないため、相手が驚いて支払いをしてくれる可能性があります。
内容証明郵便の書き方、出し方などを詳しく知りたい方は以下の記事をお読みください。
(3)裁判所に履行勧告・履行命令をしてもらう
裁判所に申出をして、
- 履行勧告
- 履行命令
をしてもらう方法もあります。
履行勧告では、調停で決定した事項を守らない者に対して、裁判所から義務を果たすよう促します。申出に費用はかかりません。強制力はないものの、裁判所からの連絡となると相手が受けるプレッシャーは大きいでしょう。
より強い措置として履行命令もあります。
履行命令は、期限を定めて義務を果たすように命じるものです。申立てには手数料がかかります。命令があったにもかかわらず正当な理由なく従わなければ、10万円以下の過料というペナルティがあります。
なお、履行命令ができるのは金銭的な義務だけで、面会交流については命令が出せません。
(4)強制執行に踏み切る
最終的な手段は強制執行です。支払いをしない相手に対しては、
- 給与
- 預貯金
- 不動産
などを差し押さえて強制的に金銭を回収することができます。
履行勧告・履行命令をしても拒み続ける相手には有効な手段です。
面会交流の場合は金銭的な義務ではないため、強制執行の方法は「間接強制」となります。これは一定の期限を定めて実行しない場合に金銭の支払いを命じるものです。
ここで紹介した4つの方法についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
6、調停調書の内容を変更したいときは?
「調停調書の内容がおかしい」というときはどうすればよいのでしょうか?
以下で確認していきましょう。
- 原則変更不可
- 話し合いや調停で合意できれば変更が可能
(1)基本的に変更はできない
調停調書の内容に思い違いがあっても、変更は基本的にできません。
計算違い、誤記などの明確な誤りがあったときに変更できるという規定はありますが、実際に変更されるのは稀です。
「勘違いしていた」という程度では変更は不可能です。作成する段階で間違いがないか確認することが重要といえます。
(2)話し合いや調停で合意できれば変更が可能
調書の記載そのものは変更できませんが、双方の合意さえあれば決めた内容を変えることはできます。
自分たちで話し合って取り決めをしても構いませんし、再度調停を利用することも可能です。
例えば
- 経済状況が変わって養育費の金額を再検討する
- 子どもの成長に応じて面会交流を見直す
といったケースはよくあります。
お互いの合意さえできれば問題なく、調停調書の内容がいつまでも絶対というわけではありません。
配信: LEGAL MALL