5、給付金も出る!長く休みをとりたいなら介護休業を~介護休暇との違い
先ほど説明したように、介護休暇は無給となってしまうリスクがあります。
これに対して介護休業であれば、給付金の受給が可能です。
- 介護休暇
- 介護休業
の違いを解説します。
(1)まとまった時間をとれる
介護休業は、対象家族1人につき合計93日まで取得可能です。
介護休暇は年5日なのに対し、介護休業は通算で93日です。
毎年与えられるものではないので注意してください。
介護休業は3回まで分割して取得できます。
例えば
- 93日を1度にまとめてとる
- 46日と47日に分けてとる
- 31日ずつ3回に分けてとる
など、都合に応じて変えられます。
介護休暇と比べてまとまった時間をとれるのが介護休業の特徴です。
(2)介護休業給付金で減収をカバーできる
介護休業中の給与については、介護休暇と同じく法律では定められていません。
支払われるかは会社の規定によります。
会社が給与を支払わないとしても、条件を満たせば雇用保険から給付金が支給されます。
金額は最大で休業前の賃金の67%です。
給付金を受け取れる介護休業では、減収を一定程度カバーし金銭的な不安を多少は和らげることができます。
(3)取得条件はやや厳しい
介護休業を取得する条件は、介護休暇に比べるとやや厳しいです。
具体的には、対象家族に関しては介護休暇と同様ですが、労働者の雇用期間について条件が変わります。
正社員であれば問題なく取得できるものの、期間を定めて雇用されている場合は以下の全ての条件に該当しなければなりません。
- 入社から1年以上
- 「取得予定日から数えて93日を経過する日」から6ヶ月を経過するまでに労働契約の期間が満了することが明らかとはいえない
契約更新が見込まれない場合には、介護休業は取得できません。なお「入社から1年以上」の条件は、令和4年(2022)年4月より撤廃されます。
申請は、希望通りの期間に介護休業を取得するためには、書面で2週間前までにしなければなりません。
介護休業は期間が長いため、介護休暇に比べて条件が少し厳しくなっています。
介護休業については以下の関連記事で詳しく解説しています。
6、会社に介護休暇をとれないと言われたら?
介護休暇を取得しようとしたのに会社に拒否されたらどうすればよいのでしょうか?
(1)会社は介護休暇を拒否できない!
介護休暇の申請があれば、会社は拒否できません。
拒否されるケースでは、担当者が育児介護休業法の規定を理解していない可能性があります。
また、介護休暇の取得を理由として不利益な待遇をすることも許されていません。
(2)納得できない対応をされたら弁護士にご相談を
例えば
- 事情を説明しても介護休暇を取らせてくれない
- 介護休暇を取ったら降格させられた
といった理不尽な対応をされたら、弁護士にご相談ください。
弁護士は、
- 制度の説明
- 対処法のアドバイス
- 会社との交渉
といったお手伝いができます。
介護休暇は労働者に認められた権利です。泣き寝入りせずにすむよう、弁護士の力を借りてはいかがでしょうか。
配信: LEGAL MALL