度々ニュースで見る子どもの事故やトラブル…子どもの安全をどう守る?責めるしつけが危険を招く!?

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ヒヤリハットを考える「ハインリッヒの法則」って?

ドアに手を伸ばす赤ちゃん


保育において有名なリスクマネジメントが「ハインリッヒの法則」です。よく耳にする“ヒヤリハット”はこの法則に基づいています。


子どもの大きな事故やけがを1件とすると、実はその手前には軽度・中度のけがが29件あり、さらにその手前には、事故やけがにならないヒヤリハットが300件ある、というピラミッド型の考え方です。つまり、大きな事故がたとえ1件だとしても、いきなりゼロにすることはできない、と考えます。


では、リスクを減らすにはどうすればよいのでしょうか。


「重大事故をなくすためには、中度のケガの件数を29にしない、さらにヒヤリハットを300にしないこと。家庭でも日常のヒヤリハットを減らしていくことが大事です」

ニューヨークの事例に学べ! ヒヤリハットを減らすコツ

世界には、こうした考えに基づき改善した事例があります。


治安が悪化したニューヨークで、当時の市長だったジュリアーニ氏が、割れている窓や落書きを消していく作戦を実行しました(割れ窓理論)。


「凶悪事件を減らすために、周りをきれいにしていった。この事例はとても分かりやすいですよね。同じように子どもの事故やけがを減らすため、身の回りのヒヤリハットをなくす必要があります。まずは普段の持ち物や部屋を点検し、子どもの行動や性格を理解し、リスクがないよう対応していくことが効果的だと考えられます」

保育現場が重視する「環境構成」は家庭で応用できる!

保育現場では「環境構成」を重視します。具体的には、保育室の机の角にスポンジを貼る、鉄棒の下にマットを敷く、指を挟まないよう隙間のあるドアを設置する、などです。これらは危険を想定しているからこその対策です。これらは家庭にも応用できます。


子どもの誤飲リスクについても、ヒヤリハットをなくす努力が必要です。
「たばこ、薬、化粧品の誤飲は多い。これには“大人が口にするもの”という共通項があります。子どもたちが真似をしないように、目の前に置かない、高いところに置く。ちょっとした環境の工夫で、誤飲事故は防げます。『こんなことを子どもはしないだろう』と思うところこそ、大きな事故につながりやすいんです」


落下事故の防止にもリスク要因を減らす工夫が必要です。
「マンションのベランダから落下するという悲しい事故が時々起きます。子どもが椅子を運んで上ったり、クーラーの室外機の上に乗ったり、大人が想定していなかったことを子どもはするもの。それを子どもの責任とするのではなく、大人が子どもを理解し、安全な環境を整えてあげることが大事です」

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