離婚後の養育費の相場はどのくらい?適正な養育費を獲得するための全知識

離婚後の養育費の相場はどのくらい?適正な養育費を獲得するための全知識

7、養育費は相場より減額されることもある?

では、逆に養育費が相場より減額されることもあるのでしょうか。

(1)支払者の事情によっては減額を求められることも

養育費算定表の金額はあくまでも目安ですので、もらう側に特別の事情がある場合には増額できるのと同様、支払う側に特別の事情がある場合には減額されることもあります。

また、いったん相場どおりに取り決めた後でも事情が変われば金額の変更も可能なのですから、支払う側の事情が変われば減額される可能性もあることになります。

(2)減額される要素

一方、養育費の減額が認められやすい要素としては、以下の事情を挙げることができます。

  • 親権者が再婚して、子どもと再婚相手が養子縁組をした場合
  • 非親権者が病気や失業などによって収入が減った
  • 非親権者に新たに子ども生まれ、扶養すべき人数が増えた
  • 物価の上昇や増税など社会情勢の変化によって生活が苦しくなった

社会情勢の変化については、もらう側にとっては増額の必要性として上げられるものですが、支払う側が現実にいままでどおりの金額を支払うのが難しい場合には、減額が認められる可能性があります。

(3)減額を請求されたときの対処法

元パートナーから養育費の減額を請求されたときの対処法も、基本的な考え方としては、養育費を新たに請求する場合や増額を請求する場合と異なるところはありません。

つまり、養育費として必要な金額とその根拠を具体的に主張して、理解を求めることになります。

話し合いがまとまらなければ元パートナーから「養育費減額請求調停」を申し立てられる可能性もありますが、その前によく話し合うことで柔軟な解決方法が見つかることもあります。

例えば、元パートナーにそれなりの収入はあるものの、借金を抱えているために養育費を支払う余裕がないというケースも少なくありません。

このような場合は、あえて自己破産などの債務整理を勧めるのも1つの方法です。

相手方の借金の負担が軽くなれば、養育費を払ってもらいやすくなるからです。

養育費を少しでも多く回収するためには、このように相手の経済状況を改善する方法を考えてあげるなど、柔軟な対処法が有効な場合もあります。

その他、減額を請求された場合の対処法についてはこちらの記事でも解説していますので、併せてご参照ください。

8、養育費でお困りのときは弁護士へ相談を

ここまで、養育費の相場や養育費算定表の使い方、養育費の増額・減額をめぐる問題などについて解説してきました。

しかし、実際に適切な養育費を獲得するためには、専門的な知識や交渉力などが要求されます。そのため、お困りの際は弁護士に相談してみることをおすすめします。

弁護士に詳しい事情を伝えれば、適切な養育費の金額を判断してもらえますし、元パートナーと交渉する際のポイントなどについてもアドバイスが得られます。

養育費の請求手続きを依頼すれば、交渉は弁護士が代わりに行ってくれますし、調停や審判、裁判でも全面的にサポートが受けられます。納得できる金額の養育費を獲得することが期待できるでしょう。

養育費の相場に関するQ&A

Q1.母子世帯における養育費の平均相場は?

厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果」によれば、(元)パートナーから養育費を受け取っている母子世帯における1か月あたりの平均相場は4万3,707円とされています。

Q2.母子世帯のうち養育費をもらっている世帯の割合は?

厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果」によれば、母子世帯のうち養育費をもらっている世帯はわずか24.3%に過ぎないという結果も出ています。

Q3.実際に子どもを育てるためにどれくらいのお金が必要になる?

子どもが生まれてから大学を卒業するまでに必要な金額は、1人あたり概ね3,000万円程度と言われています。単純計算で、3,000万円を22年(264か月)で割ると、1か月あたりの金額は11万円~12万となります。

離婚時の養育費の相場まとめ

養育費を請求することは正当な権利であり、お子さまの成長のために大切なことでもあります。

しかし、実際には相場どおりの養育費を獲得することが容易ではないケースも少なくないものです。

お困りのときは、離婚問題に強い弁護士に相談してみましょう。弁護士が豊富な経験に基づいて、あなたの状況に応じて最適な解決方法を柔軟に考えてくれるはずです。

専門家のサポートを受けて、適切な養育費を獲得しましょう。

監修者:萩原 達也弁護士

ベリーベスト法律事務所、代表弁護士の萩原 達也です。
国内最大級の拠点数を誇り、クオリティーの高いリーガルサービスを、日本全国津々浦々にて提供することをモットーにしています。
また、所属する中国、アメリカをはじめとする海外の弁護士資格保有者や、世界各国の有力な専門家とのネットワークを生かしてボーダレスに問題解決を行うことができることも当事務所の大きな特徴です。

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