モラハラする夫(妻)と離婚する際に知っておくべき7つのこと

モラハラする夫(妻)と離婚する際に知っておくべき7つのこと

5、モラハラで離婚が成立するまでの流れ

では、実際に相手と離婚するためには、どのような流れで進めていけばよいのでしょうか。

以下で、順序立てて流れをご説明します。

(1)別居する

先ほどもご説明しましたが、離婚を切り出す前に別居を始めた方がよいです。

ただし、別居後はモラハラの証拠を集めることが難しくなりますので、証拠は別居を開始する前に確保しておきましょう。

(2)話し合いをする

別居して落ち着いたら、本格的に離婚を切り出し、相手と話し合いましょう。

ご自身で直接話し合うことは難しいことも多いかと思いますが、その場合は信頼できる第三者や弁護士などの専門家を間に入れて話し合うことです。

こうすることで、相手によっては、配偶者の離婚意思が固いことを理解して、離婚に応じることがあります。

ただ、離婚すること自体には合意ができても、離婚条件の点で合意ができないこともよくあります。

その場合、話し合いによる協議離婚は難しくなります。

離婚を持ちかけると相手が切れたりする等の理由で話し合いが不可能なケースでは、このステップを飛ばして次のステップに進んでもかまいません。

(3)離婚調停

話し合いがスムーズに進まない場合や、話し合いが不可能な場合は、家庭裁判所へ離婚調停を申し立てましょう。

調停では、相手方とは顔を合わせずに、調停委員が間に入って話し合いを進めてくれます。

どのような酷いモラハラがあったかを調停委員に説明して理解してもらい、相手を説得してもらいましょう。

ただし、残念ながら調停委員も相手方の外面を信用してしまい、あなたの言い分を理解してくれない場合もあります。

そのため、調停委員に証拠を示しながら、実情を具体的かつ説得的に伝えることが大切です。

また、別居中は離婚が成立するまでの間、相手方から生活費の一部を支払ってもらうことができます。

相手方に直接請求しても支払ってもらえない場合は、家庭裁判所へ「婚姻費用分担請求調停」も申し立てましょう。

(4)離婚訴訟をする

調停でも相手がどうしても離婚に応じない場合には、離婚訴訟を起こしましょう。

きっちりモラハラの証拠があり、夫婦間の関係が完全に破綻していると認定されたら、判決で離婚を認めてもらうことができます。

また、判決に至るまでに和解の話をすることがほとんどなので、裁判所が間に入ることにより、話し合いによって離婚できる可能性もあります。

6、モラハラ夫(妻)との離婚で慰謝料をもらうことはできる?

モラハラに苦しむ方は、相手から「慰謝料」をもらうことができるのか、関心をお持ちのことが多いでしょう。

結論から言うと、モラハラを理由に慰謝料請求することは可能ですが、すべてのケースで慰謝料がもらえるわけではありませんので、注意が必要です。

(1)慰謝料がもらえる場合

そもそも慰謝料とは、相手の不法行為によって受けた精神的損害に対して支払われる損害賠償金のことです。

慰謝料が認められるためには、ある程度は強度の不法行為が行われたことが必要です。

モラハラの場合は、それなりに酷い行為をある程度の期間、継続して受けた場合でなければなりません。

通常の夫婦喧嘩に毛が生えた程度のモラハラや、多少言い方がきつい、感情の起伏が激しい、などという程度では、慰謝料は発生しません。

一度説教を始めると延々3時間4時間、深夜でもおかまいましで、束縛も異常、わめきだしたら止まらない、そのようなことが週に何度もある、というようなケースで慰謝料が発生すると考えましょう。

なお、どのようなケースでも相手方との話し合いによって合意ができれば、慰謝料を支払ってもらうことは可能です。

しかし、相手方が任意に支払おうとしない場合には、モラハラを証明できる証拠も必要になります。

(2)慰謝料の相場

モラハラの慰謝料の金額は、だいたい数十万円程度となることが多いです。

ただし、モラハラが原因でうつ病を発症したなどの実害が発生している場合には、100万円を超える慰謝料が認められることもあります。

うつ病のために働けなくなったような場合には、逸失利益も含めてさらに高額の請求が可能となります。

(3)慰謝料を増額するコツ

少しでも慰謝料を増額するためには、相手方のモラハラ行為と、ご自身が受けた損害を具体的に立証することです。

幸せな夫婦生活・家庭生活を期待していたのに、相手方のモラハラ行為によってその夢が絶たれたことも主張するとよいでしょう。

それと、実害が発生した場合は、その事実も具体的に立証することです。

うつ病になってしまった場合は、原因や病状、今後に予想される経過などについて、医師に詳しい診断書を書いてもらうとよいでしょう。

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